株式会社NTTドコモ(東京都千代田区)は、「d払い」アプリにおいて、dポイントや「dカード」、回線利用状況など、契約中サービスを一画面で確認できる「利用サービス」機能を追加することを明らかにした。利用者は同アプリ上で複数のドコモ提供サービスの利用状況を一覧表示できるようになる。
ドコモは本機能によって、契約者が複数アプリを行き来せずに支払い履歴やポイント残高、通信契約内容を把握できるようにする。これまで「d払い」アプリでは機能拡張を継続しており、2025年9月には「dカード」専用画面を導入していた。今回の「利用サービス」は、同社が進めるアプリ統合戦略の一環として位置づけられている。
アプリ上にドコモ関連サービスを統合表示
ドコモは本機能によって、契約者が複数アプリを行き来せずに支払い履歴やポイント残高、通信契約内容を把握できるようにする。これまで「d払い」アプリでは機能拡張を継続しており、2025年9月には「dカード」専用画面を導入していた。今回の「利用サービス」は、同社が進めるアプリ統合戦略の一環として位置づけられている。
顧客接点を深化、金融サービス連携の基盤に
ドコモは「d払い」アプリを中心に、金融関連機能の拡充を進めている。2025年9月には「dカード」情報を詳細に確認できる画面を刷新し、アプリから新規入会手続きも可能とした。「d払い」自体は、オリコン顧客満足度調査「キャッシュレス決済アプリ」部門で総合1位(調査対象16サービス中)を獲得しており、利用者満足度の高さが示された。
同社は、マネックス証券の子会社化などを通じて金融サービス領域の強化を進めており、将来的な銀行業参入も報じられている。今回の機能追加は、通信契約と金融取引の利用情報を接点とする「生活インフラ型」サービス統合の一環とみられる。専門家の間では、ドコモが持つ顧客基盤の大きさを活かした金融接点の拡張が、今後の収益構造多角化の鍵になるとの見方がある。
利便性向上の一方で情報整合性が課題
今回導入される統合表示機能では、dポイントクラブ会員情報、回線契約者情報、「dカード」契約者情報の一致が前提条件となる。情報の齟齬がある場合、「dカード」の請求額は表示されない仕様だ。これにより、利用者自身による情報整備や同意手続きが求められる点が運用上の注目点となる。ドコモは、統合サービスの利便性とセキュリティの両立を図るため、情報管理体制の強化を並行して進める方針だ。
背景には、キャッシュレス決済やスマートフォン上でのライフマネジメント機能が拡大していることがある。各社が金融・通信・ポイント経済圏の統合を進める中、ドコモもアプリ中心の一体的なサービス運用を目指している。こうした動きは、金融領域への本格的な事業拡張を見据えた顧客接点戦略の側面もある。
金融・通信融合の流れ加速へ
異業種間の金融参入が進み、通信系企業による決済・口座管理・資産形成サービスの拡充が相次ぐなか、ドコモの新機能は同社の金融ビジネス拡大の基盤形成に寄与する可能性がある。今後は「dスマートバンク」や投資サービスなどの関連施策とも連動し、利用者の資産管理体験をアプリ内で完結させる構想が進むとみられる。
ドコモは引き続き、「d払い」アプリの利便性改善と機能拡張を通じて、決済と金融機能を融合したサービス環境づくりを進める。今回の「利用サービス」追加は、その流れを象徴する取り組みとなる。