コーナン商事株式会社(大阪市淀川区)は、17日に岡山市北区久米で「コーナンPRO岡山久米店」を開業する。建築関係のプロを主要顧客とする「コーナンPRO」ブランドとして、今期は12店舗目、全国154店舗目、岡山県では3店舗目の出店となる。
同社は、建築職人や工務店など現場需要の集約拠点としてPRO業態を運営しており、今回の新店は中国地域における販売体制強化の一環である。新店舗は建築資材や電動工具、作業衣料などを取り扱う大規模店で、早朝からの営業により現場作業前の来店ニーズにも対応する構成である。
岡山市北区に大型店舗開設
コーナンPRO岡山久米店は岡山市北区久米193番地2に立地する。開店日は12月17日で、営業時間は月〜土・祝日が6時30分〜20時、日曜が9時〜20時である。通常のホームセンターよりも早朝から営業する店舗形態は、建築現場関係者の出勤時間帯に合わせたもので、時間制約のある職人層の購買を取り込む狙いがある。店舗内では木材・金物・電動工具などの専門商品に加え、作業衣料や安全用品も幅広く取りそろえる。PRO業態の店舗網の中でも比較的大規模なカテゴリー構成を採用しており、同業他社が競合する岡山都市圏での存在感を強化する。
PRO業態の店舗網拡大に弾み
コーナン商事のPRO業態は、法人・職人向けの専門型ホームセンターブランドとして全国展開を進めてきた。今回の岡山久米店は、岡山県内では3店舗目の出店となる。同業態は2025年度だけで12店舗を新設しており、累計店舗数は154店に達する。関西圏を主軸としながらも、中四国地方や九州エリアへの進出を加速させている。
背景には、建築需要の底堅さと職人層の専門購買拠点の集約化がある。現場で即時に資材・工具を調達できる利便性が支持されており、一般家庭向けのホームセンターとの差別化が進む。業界関係者の間では、施工業者の仕入れ合理化ニーズに応えるサービス網の広がりが、地方都市でも鮮明になってきたとの見方がある。
岡山都市圏で専門需要の対応へ
岡山市および周辺地域では、再開発や戸建てリフォームなど建築関連の需要が継続しており、資材や工具を扱う専門店の競争が高まっている。コーナン商事はこうした需要を取り込みつつ、既存店舗との補完を図る計画である。新店は交通利便性の高い幹線道路沿いに位置し、法人顧客向けの仕入れサポート体制を整えている。
なお、同社は開店週にあわせてメーカー展示即売会などの企画を予定しており、地域施工業者との商談機会を設ける。販売支援と地域業者のネットワーク形成を組み合わせる取り組みが特徴である。こうした展開が定着すれば、岡山エリアにおける建築資材供給の拠点形成が進む可能性がある。
今回の出店は、ホームセンター業態の成熟局面における専門特化戦略の一環であり、同社が全国で進めるPRO店舗拡充の流れに位置づけられる。