株式会社カイタックインターナショナル(岡山県岡山市)が運営する京都発祥ブランド「GRANDMA MAMA DAUGHTER(グランマ ママ ドーター)」の吉祥寺店が、13日にリニューアルオープンした。今回の店舗刷新はブランド設立15周年を機に行うものであり、新しいコンセプトによる展開の第一歩となる。
同社は2026年春夏シーズンから、幅広い世代に親しまれるデニムアイテムを中心に据えた新コレクションを展開する方針である。吉祥寺店のリニューアルはその象徴的な取り組みと位置づけられ、空間デザインの刷新を通じてブランドの世界観を再構築する狙いがある。
吉祥寺店を全面改装し新装開店
リニューアルオープンする「GRANDMA MAMA DAUGHTER 吉祥寺店」は東京都武蔵野市吉祥寺本町に所在し、営業時間は午前11時から午後7時まで、定休日は火曜日(祝日の場合は翌水曜日)とする。
改装後の店内はブランドの根幹である“世代をつなぐ服づくり”をテーマに、自然素材と手仕事の質感を重視した内装が特徴となる見通しである。
オープンを記念して、期間限定で商品購入者にパン店「ダンディゾン」(吉祥寺)によるサブレとオリジナルトートバッグを進呈する企画を実施する。いずれも数量限定の配布となり、地域の人気店との協働によって地元密着型の展開を打ち出す。
販売主体はカイタックインターナショナルであり、店舗運営と販促企画を一体的に展開する。
デニム再構築へ、15周年が転機となる
GRANDMA MAMA DAUGHTERは2010年に京都で誕生したブランドで、設立当初から「母・娘・祖母が共有できる日常服」をコンセプトとしてきた。
15周年を迎えるタイミングで、次の十年に向けた再設計としてデニムを主軸に据える方針を明言している。デニム製品の開発はカイタックインターナショナルが得意とする分野で、自社工場による素材開発と縫製技術を背景に、プレミアムデニムの国際的な展開を進めてきた。
背景には、国内外でサステナブル素材への関心が高まる中、長く着ることを前提とするデニムの価値が見直されている。自社にとってデニム路線の強化は、自社ブランド群との相互補完を図る戦略的な一環でもある。
自社生産と地域連携で差異化
カイタックインターナショナルは、日本・米国・中国に自社工場を保有する生産体制を持ち、材料開発から縫製、販売までの垂直統合を進めている。地元店舗との協働や限定アイテムの展開など、コミュニティとの接点強化も注目点である。今回の記念企画で連携するパン店は、素材選定と製造プロセスにこだわる姿勢で知られ、ブランドコンセプトとの親和性が高い。
企業関係者の間では、こうした地域連携によってブランドの定着度を高める動きが拡大しているとの見方がある。
新コレクションを見据えた試金石
2026年春夏シーズンからの新ライン展開を控え、吉祥寺店のリニューアルは今回の路線転換を占う試金石となる。店舗の運営体制は従来通りカイタックインターナショナルが担い、販売動向や顧客層の変化を踏まえた商品構成の最適化を進める予定である。オフライン店舗を中心にブランド再生への第一歩を踏み出す。
デニム再編を軸にしたブランド刷新の動きは、国内アパレル市場において、持続性と文化性の両立を図る新たな取り組みとして注目される局面に入っている。