株式会社ハーバー研究所(東京・千代田区)は、乾燥による肌荒れ対策用の全身用美容液「薬用うるおいセラミドミルク(医薬部外品)」のポンプ付きセットを数量限定で発売すると発表した。発売は2026年1月5日から、通信販売および全国のショップハーバーで行う。新仕様となり、使いやすさを高めて家庭利用を促す狙いがある。
同社は冬季に限らず、冷暖房や紫外線などによって生じる年間通じた乾燥リスクに対応する製品拡充を進めている。今回の仕様変更は、利便性向上のほか家族単位のケア需要を取り込むことで、既存顧客のリピート強化と購買層の拡大を図る目的がある。
ポンプ仕様で利便性を向上
「薬用うるおいセラミドミルク」は、有効成分にグリチルリチン酸ジカリウムを配合し、保湿成分のヒト型セラミドやヒアルロン酸、スクワランなどを組み合わせた全身用美容液だ。角質層への浸透を高め、肌の水分保持とバリア機能維持を支える設計となっている。今回の限定版では、洗面台や浴室に置いたまま使えるポンプ仕様を採用した。家族で共有しやすい容器形状とし、空気に触れにくく衛生的な使用が可能となる。内容量は200ミリリットルで、数量限定のため在庫がなくなり次第販売を終了する。
人気定番商品の新展開
同製品は、乾燥肌対策シリーズとして2020年代前半に発売され、ユーザーからの好評を受け2022年に定番化された。無添加化粧品を掲げる同社の主力商品の一つであり、グリチルリチン酸ジカリウムによる肌荒れ防止と、高保湿を特徴としてきた。柔らかなテクスチャーでべたつかず、全身に使える点が支持を集め、リピーター中心に販売が続いている。今回のポンプ付き仕様は、家庭での継続使用を前提にした派生モデルという位置づけになる。
「無添加主義」を掲げる経営理念
ハーバー研究所は創業以来、「肌に必要なものだけを補い、肌本来の働きを助ける」という理念から、着色料・防腐剤などを排した「無添加主義」を掲げてきた。化粧品全般にこの方針を貫いており、製造・開発工程にも安全性と環境配慮を組み合わせている。自社工場を中心に研究開発を進め、保湿や美白、エイジングケアなど多様な分野で医薬部外品を展開。全国の直営店「ショップハーバー」とオンライン販売の両チャンネルで顧客基盤を拡大してきた。
乾燥対策市場が拡大傾向
近年、国内化粧品業界では、年間を通じた乾燥肌対策需要が伸びている。エアコンや紫外線、衣類の摩擦などによる刺激が要因とされ、従来の冬季中心の保湿ケアから通年型へ関心が広がっている。ハーバー研究所が今回発売する限定仕様は、こうした持続的な需要を踏まえた製品提案の一環といえる。他社も含め、ボトル設計や詰め替え対応など環境・利便両面を意識した商品開発が進んでおり、機能性と使いやすさの両立が競争の焦点になりつつある。
今後の展望
ハーバー研究所は、通信販売と実店舗の両軸展開を続けており、生活習慣の多様化に合わせた化粧品設計を強化している。今回の数量限定モデルで得られる販売データを分析し、定番商品の改良や詰め替え式容器など環境配慮型の展開を検討するとみられる。乾燥ケア用品の需要が高まる中、保湿機能と使いやすさを両立する製品群をどう拡充するかが、今後の事業戦略の柱となりそうだ。