株式会社エディオン(大阪府大阪市)は17日から、プライベートブランド「e angle」シリーズの新製品として、ダストステーション付きコードレスクリーナー「ANGV-SCD15-A-WH」を発売する。全国のエディオン店舗と公式オンラインストア「エディオンネットショップ」で取り扱われる予定である。
同社が展開するプライベートブランドの充実策の一環として、掃除機本体を戻すだけで自動的にごみを収集・充電できる省手間構造を採用している。
家事の省力化需要の広がりを背景に、手入れの簡便さを訴求する商品群のラインアップに新たな軸を加える狙いである。
約1.5Lダストステーションで手入れ軽減
ANGV-SCD15-A-WHは、約1.5リットルの大容量ダストステーションを備え、掃除後に本体を戻すだけで内部のごみを自動的に回収する。ステーションは充電台も兼ねており、省スペースで保管しながら満充電に保てる。これにより、ごみ捨てや充電の手間を省き、従来より日常の掃除工程を簡略化した。同社の試算では、日当たり1グラムの吸引量を想定した場合、満杯までの期間は最大で約90日分に相当する。ごみ捨て回数の削減によって清掃サイクルを延長できることから、長期間の連続使用にも対応する設計である。
クリーナー本体は約1.46キログラムと軽量で、バッテリーにはリチウムイオン電池を採用している。充電時間は約4時間半で、スティック時はおよそ30分、ハンディ時は33分の運転が可能である。
サイクロン式を採用しており、吸引力を一定に保ちながら清掃が行える。
背景に家電量販店の自社ブランド強化
エディオンは全国に家電販売店を展開する大手量販企業で、家電の販売に加えてリフォーム事業や法人向けソリューションも手掛けている。自社ブランド「e angle」や「e angle Select」シリーズでは、冷蔵庫やサーキュレーターなど生活家電を相次いで投入してきた。
プライベートブランド強化による価格競争力と商品差別化が同社の重点課題である。
背景には、家電量販業界全体での競争激化と、ネット通販による販売構造の変化がある。
経済産業省の商業動態統計調査によると、家電量販店業界の市場規模は2020年以降おおむね4兆6千億円前後で推移し、横ばいからやや減少傾向が続いている。仕入れ依存を減らし自社商品の比率を高める動きが主要各社で進んでおり、プライベートブランドの拡充は市場構造変化への対応策の一つである。
他製品との連携と今後の注目点
エディオンはすでにニトリホールディングス(札幌市)との資本業務提携を通じ、共同開発製品の展開を進めている。両社はリフォームや生活家電分野での協働を模索しており、インテリアと家電を組み合わせた商品開発が広がる見通しだ。
今回のクリーナー発売も、日常生活を支える製品群の一環として位置づけられる。
今後は、同型モデルの販売推移や顧客の使用状況の分析が焦点となる。自社ブランド商品の性能と価格の均衡、既存メーカー品とのすみ分け、店舗・EC双方での在庫管理体制など、販売運用面の取り組みが注目される。今回の新製品投入は、エディオンが掲げる「くらしを新しい角度から見直す」路線の一環であり、暮らしの効率化をテーマとした品ぞろえ拡大の流れの中に位置づけられる。