ポータブル電源とクリーンエネルギーの製造販売を手がけるEcoFlow Technology Japan株式会社(東京都中央区)は、2025年12月15日から2026年1月4日まで「年末年始キャンペーン」を実施することを明らかにした。期間中は主要製品を最大63%割引で提供するほか、抽選でポータブル電源が当たるSNS企画を同時に展開する。
同社は災害対策用電源としての需要増を背景に、アウトドアや家庭防災用途で利用層を拡大してきた。今回の施策は年末帰省期の購買意欲喚起と、冬季に高まる停電リスクへの訴求を狙ったものである。割引販売の対象は同社の主力「DELTAシリーズ」など複数機種で、公式ストアや主要ECチャネルで展開する。
最大63%割引で主力モデル投入
キャンペーンの期間は20日間で、EcoFlow公式ストアおよびAmazonの自社運営ページで販売を行う。対象製品は「DELTA 3 Classic」「DELTA 3 1000 Air」「DELTA 3 Plus」「DELTA 2 Max」などで、容量は1,000Wh〜2,000Whの中大容量帯を想定した蓄電機だ。期間中は時間限定のタイムセールも追加し、需要期の消費喚起を図る。
各機種はリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、アプリ連携による遠隔操作に対応する。市場での利用事例としてはキャンプや防災、非常時の冷蔵庫稼働など多岐にわたる。こうした汎用性は1台複数志向のユーザー層を取り込んでおり、拡張バッテリー対応モデルも加えて家庭用蓄電市場の一角を担う。災害対応に向けた購買行動が高まる年末期に合わせ、販売条件を調整した格好だ。
渋谷で「心から温まる」体験イベント開催
12月20日から25日には、渋谷の代々木公園で「第四回ふるさと東京応援祭 i SHIBUYA Christmas」に出展し、「身体だけではなく、心から温まる」をテーマとした体験イベントを開く。会場の電力はすべてEcoFlow製ポータブル電源で賄われる。テント内で暖を取りながら短い映像を視聴・共有するワークショップを設ける。入場料は無料で、ブース内には携帯端末を充電できるステーションも設置される。
イベント期間中には、来場者が体験内容をSNSに投稿すると抽選で50名にギフトカードが当たるプレゼント施策も行う。電力を可視化した実地体験を通じ、防災意識の啓発と製品の信頼感向上をねらう取り組みだ。背景には冬季の電力需要逼迫と停電リスクの高まりがあるとされ、同社は電力の自立利用を身近に感じてもらう狙いを持つ。
防災需要と環境意識が販売を後押し
EcoFlowは2017年に設立され、米国・独国・日本に拠点を持つ。クリーン電力を誰でも使える社会の実現を掲げ、世界140以上の国や地域において500万人超の利用者を抱えるまでに成長した。日本市場では特に防災・アウトドアの両需要で販売を拡大し、DELTAシリーズやRIVERシリーズを中心に家庭・野外向け蓄電機のポートフォリオを構築している。
ポータブル電源市場全体では、冷蔵庫や通信機器への給電を可能にする中容量製品の普及が進む。常時稼働家電のバックアップ用途のほか、ソーラーパネルとの併用で電気料金削減にもつながる。業界関係者によると、電動家電や災害備蓄品との連携提案を進める企業が増えており、持続可能な電力利用の一形態としてポータブル電源を評価する声が高まっている。
SNS活用で購買行動を誘発
今回のキャンペーンではSNSを通じた抽選企画を併設し、公式アカウントをフォローのうえ指定ハッシュタグで投稿した利用者の中から製品をプレゼントする。デジタル上での参加を促すことで、利用者の体験共有を通じたブランド訴求を狙う構成だ。応募はX(旧Twitter)とInstagramの双方から可能で、企画期間は12月12日から31日までとした。
オンラインとリアル体験を組み合わせた販売促進の形は、災害対策用品や家電分野にも広がりを見せつつある。近年は信頼性や安全性の確認を重視する消費者が増えており、製品性能と併せて使用時の安心感を可視化する手法が評価されている。EcoFlowも体験・共有・販売の各接点を結びつけ、ブランド浸透を狙う構えだ。
普及拡大の鍵は運用支援と供給安定
ポータブル電源の普及が進む中、運用上は充電管理や長期保管の対応が課題となっている。特に寒冷期は充放電効率が低下しやすいため、実使用環境での性能維持が焦点となる。EcoFlow製品はバッテリーマネジメントシステムを標準搭載し、安全性と寿命を確保している。だが、利用拡大に伴う点検・回収体制の整備も求められる。
業界では再生可能エネルギーの自家利用を支える分散蓄電の需要が高まりつつある。家庭や車両向けの中規模電源が成長領域と指摘されている。今回の一連の施策は、ポータブル電源を日常生活により密着させる試みであり、エネルギーの地産地消を個人単位に広げる流れの一端を示すものといえる。
同社の取り組みは、防災意識の高まりとクリーンエネルギー指向が交わる市場潮流の中で、電力の自立利用を促す動きとして位置づけられる。