株式会社ダイサン(大阪府大阪市中央区)は4月21日、シンガポールのPenguin Engineering & Construction Pte. Ltd.(シンガポール)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。取得により、同国で展開するエンジニアリング領域の事業体制に変化が生じる。外部流出や拡散があった情報はなく、同社は子会社化の決定と株式譲渡契約の締結を公表した。海外事業での対応力を高める動きが、現地での工事供給体制やグループ連携の組み方に影響しそうだ。
ダイサンは会社法第370条および定款第25条に基づき、取締役会決議に代わる書面決議で子会社化を決めた。同日付で株式譲渡契約も結んだ。目的は、中期経営計画「Reborn」(2025年度~2029年度)で掲げた重点戦略の一つ「コア事業領域の深化」に沿い、海外事業(シンガポール)で技術力がより求められるエンジニアリング事業をM&Aを通じて高付加価値化する点にある。ペンギン社をグループに迎え入れ、既存の現地子会社2社とあわせて海外事業の基盤を強化する位置づけとなる。
ダイサンが全株取得
取得対象のペンギン社は、シンガポールで石油化学プラントの配管設置などを手掛ける専門工事会社だ。世界石油メジャーからの工事を長年手掛けてきたとされ、顧客基盤の安定性を打ち出している。
ダイサンは、現地の連結子会社Mirador Building Contractor Pte. Ltd.とGolden Light House Engineering Pte. Ltd.で強化を進めるエンジニアリング部門との親和性が高い点を、買収判断の根拠に挙げた。
意思決定は4月21日で、同日付で契約も締結した。
子会社化後、ペンギン社はダイサングループの海外事業セグメントを構成する一社として加わる。ダイサンは「シンガポールにおけるエンジニアリング分野での対応力を一層高める」とし、各社の強みを生かした緊密な連携を進める方針を示した。
資本金20万Sドル
ペンギン社は1980年9月12日設立で、事業は配管・溶接・メカニカルなどのプロジェクト工事を中心とするエンジニアリング事業である。
資本金は200,000シンガポールドルで、ダイサンは1シンガポールドル=124円96銭(2026年4月14日時点)の換算レートも示した。所在地はBlock 153, Bukit Batok Street 11 #03-294, Singapore 650153、最高経営責任者(CEO)はEng Swee Yeng氏だ。
運営面では、ペンギン社が海外事業セグメントの一社として加わり、既にシンガポールで事業を展開するMirador Building Contractor Pte. Ltd.とGolden Light House Engineering Pte. Ltd.とともに海外事業の基盤強化を図る枠組みとなる。
取引の責任分界としては、ダイサンが株式取得の実施主体となり、現地での事業運営はグループ内の海外事業セグメント各社の連携で進む形を示している。
中計RebornのM&A方針
ダイサンは2024年7月に中期経営計画「Reborn」(2025年度~2029年度)を公表し、パーパス「人と現場を守り抜く」を掲げた。重点戦略は3つで、そのうち「コア事業領域の深化」において、海外事業(シンガポール)ではエンジニアリング事業を対象にM&Aを通じて高付加価値化を実現する目標を置いてきた。
今回の子会社化は、その方針に沿う案件となる。
買収後のシナジーに関してダイサンは、ペンギン社と既存の現地子会社2社で強化を進めているエンジニアリング部門との親和性を挙げ、双方の企業価値をさらに高める効果を見込む考えを示した。
背景には、海外事業で「より高い技術力が求められる」領域を取り込むことで、現地での対応領域を広げる狙いがある。
連結影響は26年4月期なし
業績面でダイサンは、本株式取得(子会社化)による2026年4月期の連結業績への影響はないとしている。
2027年4月期の業績予想については、株式取得の影響を踏まえたうえで、2026年6月に公表予定の2026年4月期決算短信で開示するとした。取引管理の観点では、足元の連結業績への影響有無と、次期見通しの開示タイミングが、取引先にとっての注目点となる。
