建設機械レンタル大手のアクティオ(東京)は、2025年12月11日と12日の2日間、栃木県宇都宮市の「道の駅うつのみや ろまんちっく村」で新品・中古品の展示即売会を開くことが分かった。
建設機械、照明機器、電動工具など幅広い製品をそろえ、建設業関係者や一般需要に応える催しとなる。地域で大規模な販売会を行うのは今回が初めてである。
同社によると、今回の展示即売会は現場ニーズに応じた商品の実物確認と直接購入の機会を設けることを目的としている。宇都宮市の郊外にある会場を選び、北関東の建設業者や地元企業との接点を強める狙いである。
最近は建設業を取り巻く人手不足やコスト上昇を背景に、中古機械の再利用や機材共有の動きが広がっており、同社としても流通活性化を意識した企画である。
宇都宮で開催 2日間の大規模即売イベント
展示即売会は12月11日(木)に午前10時から午後4時まで、翌12日(金)に午前9時から午後3時まで開かれる。
場所は「道の駅うつのみや ろまんちっく村」第三駐車場(宇都宮市新里町丁1669-1)。同社は地域の建設関係者のみならず一般の来場も歓迎しており、建機の実演や整備相談などのプログラムを予定している方向である。
会場では現場照明機器、発電機・溶接装置、電動工具類が多数並ぶ見込みで、日常業務からインフラ整備まで多様な現場需要に応える内容となる。
建設DX展との連動で地域連携を拡大
アクティオは12月10日から12日に東京ビッグサイトで開かれる「第5回建設DX展 東京」に出展するなど、全国規模で最新技術や製品の発信を進めている。
また、同月8日には長野県松川村と災害時におけるレンタル機材提供に関する協定を結んでおり、防災分野での官民協力も拡大中である。
こうした一連の活動の一環として、今回の宇都宮での展示即売会は、北関東エリアの顧客や自治体関係者と直接交流し、災害対応や地域インフラ維持に必要な資材供給体制を確認する場にもなる。
業界DX化と中古機再利用が進む
建設機械レンタル業界では、デジタル管理や安全支援機器を組み合わせた「施工の効率化」が進みつつある。アクティオも「レンサルティング®」と称する提案型レンタル事業を展開し、顧客現場へ最適な機材・施工支援を提供してきた。
同社が掲載する月刊情報誌「AKTIO NEWS」12月号では安全機器特集を組んでおり、衝突被害軽減装置搭載の建設車両や線検知センサーなど、現場リスクを低減する製品群を紹介している。
今回の展示会でも、こうした安全支援機器が注目を集めると見込まれる。
災害対応から環境保全まで活動広がる
アクティオは全国各地で災害復旧支援に関わり、能登半島地震では被災企業との連携も行った実績がある。社内では環境活動「アクティオの森2025」などを通じて社員が森林整備を体験し、持続可能な地域づくりを意識した取り組みを強めている。
宇都宮での展示会は、製品販売にとどまらず、そうした社会貢献や環境対応に関心を持つ事業者・住民との交流機会となる可能性がある。
建設産業の支え手不足が深刻化する中で、地域インフラの維持や防災力強化の担い手をどう確保するかが今後の焦点となるだろう。
AI技術融合で次世代レンタルへ
展示即売会と並行し、同社はAIやロボティクスを活用した機材の自動化提案にも力を入れている。建設DX展で披露予定の「自律走行搬送台車」や「AIボイスシステム」などの要素技術が、将来的に地方拠点の販売やレンタルオペレーションにも応用される見通しである。
今回の宇都宮開催は、そうした全国展開の中間拠点という位置づけも持つ。北関東を中心に、地元の施工会社と新技術・中古機材の利活用をどう結びつけるかが主要なテーマになる。
建設現場の省力化、安全対策、循環利用の3点をどう両立させるかが、機械レンタル市場全体の課題として浮き彫りになっている。