株式会社Brand Bank Company(東京都新宿区)は2025年12月6日付で、同社が運営する「すしわさび」「沖縄料理なんくるないさー」「焼き鳥・やきとん・餃子 つる福」のヨドバシAkiba店3店舗で、合同の開業1周年記念イベントを12月7日から9日まで実施すると明らかにした。
同3店舗はヨドバシカメラ マルチメディアAkiba(東京都千代田区)の8階にある飲食街内の店舗で、3日間限定の共同企画として周年イベントを開催するのは今回が初めてとなる。
同社によると、3店舗が一体で記念施策を行うのは来店者層の拡大と、施設内飲食フロアの活性化を目的としたもの。各店舗がそれぞれ異なる業態で運営されていることから、共同施策を通じて施設全体の回遊性向上を目指す。Brand Bank CompanyはGYRO HOLDINGS(東京都新宿区)の傘下で、居酒屋やレストラン事業を全国に展開している。
秋葉原の3店舗、周年フェアで来客拡大へ
今回のイベントは、1周年を記念する施策として、12月7日から9日までの3日間開催される。
期間中は3店舗共通で生ビールの初回提供を特別価格で設定するほか、各店が看板メニューと位置づける主力料理を特別価格で販売する。対象時間はランチ・ディナー双方で適用され、飲食フロアの全時間帯で実施する。これにより、同館8階飲食街の人流増加が期待されている。
飲食複合施設でブランド連携強化
3店舗が入居するヨドバシAkibaの8階フロアは、約20の飲食店が入る大型の商業エリア。同フロアに出店する「すしわさび」は本格寿司や海鮮料理を手頃に楽しめる業態で、「沖縄料理なんくるないさー」は九州・沖縄の郷土料理を中心としたカジュアル居酒屋、「つる福」は餃子と串焼きを中心とする大衆酒場形態である。いずれも営業時間は午前11時から午後11時までと統一されている。
秋葉原駅直結という立地上、平日の会社員需要から休日の観光・買い物客まで幅広い層の来店が見込めることから、同社は複数ブランドの連携運営に力を入れてきた。
多ブランド戦略を推進する子会社の動き
Brand Bank Companyは2010年に設立され、居酒屋やカフェ、和洋レストランなど多様な業態を展開するGYRO HOLDINGSグループの中核事業会社の一つだ。親会社のGYRO HOLDINGSは、飲食店運営のほかフランチャイズ支援や独立支援を含む食関連サービスも手がけており、グループ全体で90ブランド以上を展開している。
同社はブランドの相互補完を軸に新規開発と並行して店舗の収益構造を改善する体制を整えており、今回の記念施策も複数ブランド連動の店舗運営モデルを示す機会と位置付けられている。
都市型飲食施設の競争激化で差別化模索
秋葉原エリアでは、駅周辺の商業施設を中心に飲食テナントの入れ替えが続いている。近年はインバウンド需要の回復に加え、観光と食を組み合わせた週末来訪者が増加傾向にある。一方で同一フロア内での競合も激しく、単独店舗による集客だけではフロア全体の顧客循環を保ちづらい状況にある。
今回の3店舗同時施策は、ブランド間の連携による波及効果を試す動きとしても注目される。飲食関連の不動産関係者は「商業施設内での複数ブランド合同イベントは、フロア滞在時間の延長につながる」とみており、全国の大型商業施設でも今後同様の取り組みが拡大する可能性がある。
新業態開発とブランド協働を拡大
ブランドバンクカンパニーは近年、新店開業も相次いでおり、2025年11月には「すしわさび」の高幡不動店をグランドオープンさせた。首都圏を中心に展開を進めつつ、店舗施設全体の付加価値向上を目的としたブランド間協働を今後も推進する方針だ。
今後は飲食複合施設における店舗間連携の成果が、都市型商業施設の新たなプロモーションモデルとなるかが議論の中心になるだろう。