SMFLみらいパートナーズ株式会社、ダイダン株式会社、Daigasエナジー株式会社、株式会社SMARTの4社は、日本国際博覧会協会と結んだ熱供給施設運用等委託業務契約の枠組みの下で、2025年大阪・関西万博の会場へ空調用冷水を供給してきた。日本郵便株式会社が新東京郵便局と新大阪郵便局で予定する熱源設備の更新で、同施設で利用していた熱源設備の一部をリユース活用する方針が決まった。
今回の熱源設備再利用は、万博会場の熱供給施設で使用していた熱源設備の一部を、日本郵便の郵便局設備更新に転用する内容となる。4社は日本郵便に対し、大阪・関西万博における設備に関する情報提供を行うとともに、熱供給設備の解体・撤去に取り組み、リユース活用できる環境を整えた。万博会場での運用に関する知見と撤去対応を組み合わせ、転用までの段取りを具体化した点が特徴となる。
1,758kW機器の更新計画
規模面では、日本郵便が更新対象とする新東京郵便局の導入設備に、ターボ冷凍機(1,758kW)3台が挙げられている。新大阪郵便局では、吸収冷温水機(1,758kW)2台とターボ冷凍機(1,758kW)3台の導入設備が示されている。今回の熱源設備再利用では、万博の熱供給施設で使用していた機器群のうち、郵便局の更新計画に転用可能な範囲を見込む。
4社は万博協会との委託業務契約に基づき、会場へ空調用冷水を供給してきた。今回の枠組みでは、その熱供給施設で使われた設備の一部を、新東京郵便局と新大阪郵便局の熱源設備更新に充てる。会場運営に用いたインフラを、郵便局という恒常的な社会インフラへ移し替える工程が組み込まれ、イベント終了後の設備を廃棄に頼らず再活用する動きが加速する。
日本郵便は中期経営計画「JPビジョン2025+」でサステナビリティ経営を掲げ、環境負荷低減活動としてサーキュラーエコノミー推進と温室効果ガス排出量削減を位置付ける。今回のリユース活用は、郵便局設備の更改に合わせて既存設備を再利用する選択肢を取り込み、調達や廃棄に伴う環境負荷の抑制を図る取り組みとなる。
4社側は、万博会場の熱供給施設で使用していた熱源設備の一部を郵便局の更新へ転用するため、日本郵便に対して設備の仕様や運転実績などに関する情報を提供した。あわせて、熱供給設備の解体・撤去に取り組み、リユース活用に向けた現場での作業環境を整備した。設備の移設や移設後の稼働に関しては、運用状況の情報と撤去工程を組み合わせることで、性能や信頼性を検証しながら転用に向けた作業を進める形をとった。
背景には、万博協会が大阪・関西万博を「持続可能な万博」と掲げ、サーキュラーエコノミーの実現を重要課題と位置付けている点がある。会場運用を通じて得た設備稼働状況の情報を、移設に伴う検討材料へつなげる構図が明確になった。日本郵便側でも、車両のEV化、施設のLED化、再生可能エネルギーへの切り替えを推進し、社会のカーボンニュートラル化に貢献する方針を打ち出しており、設備更新の局面でリユースを組み合わせる判断が盛り込まれた。
4社が解体撤去を担う
今回の熱源設備再利用では、4社が日本郵便に対して万博設備の稼働状況に関する情報を提供し、移設を前提とした解体・撤去に一体的に取り組む体制をとる。供給側として蓄積した運用ノウハウと、撤去工程の実務を連携させることで、万博会場で使用していた熱源設備の一部を別拠点へ移すための作業環境を整えた。万博会場の熱供給施設で空調用冷水を供給してきた体制が、設備の転用局面でも一定の役割を担う。
郵便局の更新でリユース活用する対象は「熱源設備の一部」とされ、対象範囲の精査を進めながら、移設や移設後の稼働に関する課題を日本郵便と共有する工程が組み込まれた。万博協会との委託業務契約に基づく会場運用の延長線上で、設備の解体・撤去までを4社が担う構図が浮き彫りになり、イベント終了後のインフラを循環利用するモデルケースとしての性格も強まりつつある。
