太陽誘電株式会社(群馬県高崎市)は、2026年3月期第3四半期の連結業績を発表し、営業利益が前四半期比27%増の75億円となった。売上高は885億円と、11月時点の予想を上回ったものの前四半期比で5%減。第2四半期までにコンデンサの前倒し需要があったためだという。固定費削減や円安による為替影響が収益を押し上げた。
営業利益の増加は、固定費減少などのコスト管理効果に加え、為替変動によるプラス影響によるもの。通信用デバイス事業では構造改革に伴う追加施策を実施しており、2026年3月期通期では営業利益を210億円、前期比で約2倍の水準に引き上げる計画を示した。
売上885億円、インダクタは増収
製品別では、コンデンサの売上が前四半期比6.4%減の617億円となった。第2四半期までの前倒し需要の反動が要因となっている。一方、インダクタは同2.9%増の171億円となり、スマートフォンなど通信機器向けが伸びた。複合デバイスは9.8%減の36億円で、通信用デバイスの減少が響いた。
年間計画は売上高3,540億円(前期比4%増)、営業利益210億円(同101%増)を見込む。第4四半期には事業構造改善費用10億円を計上予定としており、親会社株主に帰属する当期純利益は130億円(同458%増)を想定する。
連結業績と構造改革が進行
太陽誘電の主力は積層セラミックコンデンサやインダクタなど電子部品製造事業であり、自動車、スマートフォン、サーバー機器などに供給している。1950年創業以来、群馬県を中心に生産拠点を持ち、積層セラミックコンデンサでは世界シェア3位とされる。2020年代以降は電気自動車やAIサーバー向け需要が拡大するなかで、製品構成の見直しと通信用デバイス事業の効率化に取り組んでいる。
背景には、2025年以降の世界的な半導体・電子部品市況の変動がある。AI関連需要によるサーバー向け部品の需要増が続く一方で、通信機器向けの需求が一服しており、同社は利益構造の改善を急いでいる。
継続的な構造改革と単発費用発生
今期は通信用デバイス事業の構造改革を継続しており、第4四半期に事業構造改善費用10億円が発生する予定だ。同施策は収益構造の刷新を目的としており、製品ラインの整理と供給体制の最適化を進めている。
今期の構造改革は単年度対応の費用計上を伴うが、計画上は通期業績見通しに織り込み済みとされている。
為替と製品需要の変動が焦点
太陽誘電は、為替要因が営業利益に14億円のプラス効果をもたらしたと分析している。平均為替レートは対米ドルで151円50銭となり、円安による収益押し上げ効果が表れた。一方で、通信機器向けデバイスの減少が続いており、分野別の需要変化を引き続き注視する必要がある。
同社は今期通年での業績上方修正を行っており、通信用デバイス事業の再構築と為替環境の影響を踏まえて収益体制の安定を目指している。