岡野バルブ製造は22日、2026年9月期第2四半期累計(2025年10月〜26年3月)の連結業績・配当予想を上方修正した。連結経常利益は従来予想を大きく上回る水準に引き上げ、上期として18期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。配当も中間・期末とも増額し、年間配当を引き上げる。
上方修正の要因として、バルブ製造部門では柏崎刈羽原子力発電所の特定重大事故等対処施設向けや島根原子力発電所2号機向けといった原子力向け計画案件で追加受注が拡大した。七尾大田火力発電所向け案件は工事工程が前倒しとなり、売上高の押し上げ要因となった。メンテナンス部門では、柏崎刈羽原子力発電所7号機の点検工事が前倒しで実施されたうえ、女川原子力発電所2号機の定期検査工事も計画を上回るペースで進捗した。
連結経常益を2.2倍に上方修正、通期も過去最高を見込む
第2四半期累計の連結経常利益予想は8.6億円から18.6億円へと2.2倍に引き上げた。前年同期の8.2億円と比べると、従来の4.2%増にとどまる想定から一転し、2.3倍の水準まで増益率が拡大する見通しで、上期として18期ぶりに過去最高益を更新する。
通期の連結経常利益予想も10.4億円から20.5億円へと96.0%の上方修正とし、17期ぶりに過去最高益を見込む。売上高の増加に加え、原子力関連を中心とする付加価値の高い追加受注の積み上がりや、定期検査工事の稼働率が計画を上回って推移したことが利益を押し上げた。
一方、下期はメンテナンス案件が上期より減少し、収益性の高い案件の比重も低下する見通しで、収益環境は相対的に厳しくなるとみている。上期に役務提供が集中し、点検・定期検査工事の一部が前倒しで消化されたことも、下期の利益計画には慎重な前提として織り込まれている。
決算期変更により2025年9月期は10カ月決算となっており、前年同期に同一の比較対象期間がないため、一部の項目では前年同期との比較を行っていない。今回の予想修正は、発表日時点で把握している案件の進捗や受注動向を基礎としており、今後の案件構成の変化や工事進行状況によって実績値が予想と乖離する可能性があるとする。
増配で年間80円に、安定配当と成長投資を両立
配当予想は、中間配当を1株あたり20円から40円へ倍増させる。期末配当も30円から40円へ増額し、年間配当は80円とする。前期実績は60円で、年間ベースで20円の増配となる。
配当政策としては、長期的な視点から安定的かつ継続的な株主還元を行うことを基本に据えつつ、原子力や火力といったエネルギーインフラ向け事業の展開、設備投資や人員配置などの経営環境の変化に柔軟に対応できるよう、財務体質とのバランスを総合的に勘案して配当水準を決定する姿勢を改めて示した。今回の増配は、上期の大幅な増益見通しと通期の過去最高益更新の可能性を踏まえた判断と位置づけられる。
原子力・火力向け案件の前倒しと役務集中が収益を押し上げ
今回の業績修正は、原子力発電所向けバルブや関連設備の追加受注と、点検・定期検査工事の前倒し実施が重なったことが主因となった。バルブ製造部門では、柏崎刈羽や島根など原子力の安全対策・再稼働プロセスに関連する計画案件で受注規模が膨らみ、高い付加価値を背景に採算も向上した。
メンテナンス部門では、柏崎刈羽7号機の点検工事が計画より早期に実施されたほか、女川2号機の定期検査工事が想定を上回るペースで進んだことで、上期に役務提供が集中した。七尾大田火力発電所向けの工事が工程前倒しとなったことも含め、エネルギーインフラ向けの大型案件が上期に厚く積み上がった構図だ。
通期では売上高が期初計画を上回り、原子力・火力向けの工事需要の取り込みが順調に進むとみている半面、下期はメンテナンス案件のボリュームや案件ミックスの変化により、利益率は上期ほど高まらない見通しだ。上期に前倒しとなった点検・定期検査工事や追加受注の消化状況が、今後の収益カーブを左右する要素となる。
