日本創発グループは、2025年12月期の連結業績を発表した。売上高は前期比8.6%増の86,987百万円となった一方、営業利益は同30.8%減の3,010百万円、営業利益ベースEBITDAは同15.5%減の5,322百万円だった。固定資産売却益5,758百万円の計上が、親会社株主に帰属する当期純利益の同127.4%増に影響した。利益構造の変化が、投資・採用を含む経営判断に波及する可能性がある。
売上高はM&A効果で増収となり、営業利益と営業利益ベースEBITDA、経常利益は人件費増加などが重荷となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の計上が寄与した。日本創発グループは、付加価値の高い印刷物へのシフトと生産性向上に向けた印刷製造分野の設備更新も進めている。
売上高8.6%増も利益率低下
2025年12月期は、売上高86,987百万円(前期比8.6%増)、営業利益3,010百万円(同30.8%減)、経常利益3,201百万円(同23.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,530百万円(同127.4%増)となった。営業利益ベースEBITDAは5,322百万円(同15.5%減)だった。期初計画(売上高85,000百万円、営業利益3,600百万円、経常利益3,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,500百万円、営業利益ベースEBITDA5,850百万円)に対し、売上高は1,987百万円、経常利益は1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,030百万円上回った一方、営業利益は589百万円、営業利益ベースEBITDAは527百万円下回った。
売上高の事業分野別構成比は印刷分野が65%(うち高付加価値サービスが10~15%)、ITメディア セールスプロモーション分野が20%、プロダクツ分野が15%だった。売上高の前期比増加額6,887百万円のうち、新規企業連結(損益計算書)効果は約72.8億円となった。既存事業会社は小幅減収の形となり、売上規模の拡大を追求せず高付加価値化を推進していることが主因とした。
利益面では、売上総利益が同18.4%増加し、売上総利益率は同2.6ポイント上昇して31.9%となった。原材料(用紙、版に使用するアルミなど)価格高騰影響が継続するなか、チラシ印刷等の低採算取引を縮小して高付加価値化を推進したほか、内製化率向上によって外注加工費の増加を抑制したことが寄与した。一方、販管費は同29.7%増加し、販管費比率は同4.6ポイント上昇して28.4%となった。新規連結や積極的な人的資本投資に伴い、人件費や賃借料などが増加し、営業利益率は同1.9ポイント低下して3.5%、営業利益ベースEBITDAマージンは同1.8ポイント低下して6.1%となった。
営業利益の前期比1,341百万円減益は、売上高増加で6,887百万円増加した一方、人件費増加で3,513百万円減少、原材料費増加で1,931百万円減少、賃借料増加で608百万円減少、その他の経費増加で1,599百万円減少などが影響した。2025年4月入社の新卒は139名で、2025年12月期末時点の従業員数は前期末比462名増の4,038名となった。設備投資額は同2,456百万円増の4,324百万円、減価償却費は同284百万円増の2,150百万円だった。
財務面では、2025年12月期末の資産合計が前期末比9,954百万円増の85,058百万円となった。現金及び預金が同732百万円減少、受取手形が同561百万円減少した一方、機械装置及び運搬具が同2,246百万円増加、建設仮勘定が同3,000百万円増加、投資有価証券が同2,919百万円増加した。付加価値の高い印刷物へのシフトや生産性向上に向け、印刷製造分野で設備更新(大規模な設備廃棄+最新鋭設備の導入)を進めていることが要因と説明した。
負債合計は同4,663百万円増の63,774百万円となった。有利子負債の内訳では、短期借入金が同2,000百万円減の23,000百万円、1年以内償還予定の社債が同500百万円増の500百万円、1年以内返済予定の長期借入金が同2,700百万円減の4,300百万円、社債が同3,749百万円増の3,749百万円、長期借入金が同6,250百万円増の17,225百万円となった。金利動向を勘案して長期固定化を進めたという。純資産合計は同5,291百万円増の21,283百万円で、自己資本比率は同3.9ポイント上昇して24.4%となった。有利子負債残高(長短借入金と社債の合計残高)は同5,799百万円増の48,774百万円だった。
供給と運用の枠組み明示
既存事業会社は小幅減収となり、売上規模の拡大を追求せず高付加価値化を推進する方針が併存している。利益面では、原材料価格高騰影響が継続する一方で、チラシ印刷等の低採算取引の縮小や内製化率向上による外注加工費の増加抑制が記載されている。
一方、費用面では新規連結や人的資本投資に伴う人件費・賃借料の増加が示されている。設備面では、印刷製造分野で設備更新(大規模な設備廃棄+最新鋭設備の導入)を進めている。固定資産売却益5,758百万円の計上は当期純利益の増加要因として明示される。
2026年12月期の連結業績予想では、売上高95,000百万円(前期比9.2%増)、営業利益2,400百万円(同20.3%減)、営業利益ベースEBITDA6,600百万円(同24.0%増)、経常利益3,600百万円(同12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同69.4%減)を見込む。営業外収益では設備投資に係る補助金収入が寄与するとし、減価償却費は3,900百万円(同1,750百万円増)を見込むとしている。2026年4月の新卒入社予定は120名とした。
焦点は、M&Aによる増収と高付加価値化の両立を進めるなかで、人的資本投資と設備更新に伴う費用増をどの勘定で吸収するかに移る。
