波佐見焼メーカーの株式会社マルヒロ(長崎県東彼杵郡波佐見町)は、「マルヒロガレージセール2026」を4月28日~5月6日に開く。会場は、マルヒロが運営する私設公園「ヒロッパ」、築86年の日本家屋を改装した「オウチ」、本社「コウバ」の3施設で同時開催とする。焼き物に加え、カルチャーやフードを組み合わせた年1回の陶器市・マーケットイベントで、来場者の回遊を促す設計が地元の集客動線に影響を与えそうだ。
ガレージセールは3施設それぞれで企画を展開し、焼き物・カルチャー・フードを一体で楽しめる点を特徴に据える。会場限定の取り組みとして、定番「HASAMI SEASON01」シリーズの2026年限定カラー「ねおき(ベージュ)」「よふかし(グレー)」を用意し、無くなり次第販売を終了する。陶器メーカーとしての物販にとどまらず、自社施設を起点にしたコミュニティ事業を深める狙いもにじむ。
3会場は徒歩2分圏内
開催期間は4月28日~5月6日で、日別に開閉時間を設定する。3施設はいずれも徒歩2分圏内に位置し、来場者が歩いて行き来できる距離に集約されているのが特色だ。混雑が予想される日はコウバエリアで整理券を配布する可能性があり、来場状況に応じてオープン・クローズ時間を柔軟に運用する方針だ。
商品の企画面では、マルヒロのオリジナルキャラクターであるネコの「ジェシー」とブタの「ベッキー」をモチーフにした「ジェシー&ベッキー」シリーズと、「ファンシーポップ」の2シリーズを前面に打ち出す。HASAMI SEASON01のB品にオリジナルデザインを施したプレート類などを数量限定で展開し、コレクション性を高める。ガレージセール期間中は県内外から70を超える店舗が出店し、マルヒロのごはん部門〈えん〉が「ヒロッパ」で天然氷を使ったかき氷を提供するなど、飲食や物販を組み合わせた市場空間を形成する。
体験型企画では、人気アイテムのB品に転写シートを貼り付けてオリジナル食器を作るワークショップを毎日開く。完成品は後日焼成して自宅へ配送する方式をとり、窯業地ならではの工程を体験できるプログラムとする。子どもから大人までを対象に据え、世代を問わず参加しやすい設計とした。
同時期に波佐見町で開かれる波佐見陶器まつりは、約150店の窯元やメーカーが集まり、約30万人が訪れるとされる大規模イベントだ。メイン会場のやきもの公園は、今回のコウバ会場から徒歩8分程度と近く、陶器まつりの来訪者がマルヒロの会場へ足を延ばしやすい地理条件にある。町全体での周遊を促し、複数会場をまたいだ購買・飲食需要を取り込む構図が浮かぶ。
マルヒロは1957年、露天商として創業した。現在は波佐見焼の食器やインテリア雑貨を企画する陶磁器メーカーとして事業を展開する。波佐見焼は生産工程ごとに担い手が分かれる分業制が特徴で、マルヒロは自社でデザインした商品を各工程の職人に委託する「プロデューサー」としての機能と、出来上がった商品を市場へ流通させる「商社」としての機能を兼ね備える。2021年には、ごはん部門「えん」と私設公園「ヒロッパ」を立ち上げ、飲食・遊び・物販を組み合わせたコミュニティ事業の多角化を進めてきた。
整理券配布や日替わり出店で運営に工夫
運営面では、混雑日にはコウバエリアのみ整理券制度を導入する可能性があり、入場の取り扱いを日ごとに切り替える柔軟な枠組みをとる。限定アイテムは会場限定販売とし、売り切れ次第終了とすることで、在庫管理と希少性の両立を図る。ワークショップは窯の焼成工程を踏まえ、作成後に焼成して後日配送する手順を採用し、即時持ち帰りではなく「届くまでを待つ体験」も含めた構成とした。
出店者は県内外から70店舗超が集まり、フード出店やポップアップショップを日替わりで入れ替える。来場日によって店の顔ぶれが変わる設計とし、リピーターの来場も促す。マルヒロ内部では、ごはん部門〈えん〉が天然氷のかき氷の提供を担い、焼き物販売と飲食提供を同一会期・近接会場で並行させることで、滞在時間を延ばしやすい環境を整える。
ガレージセールは年1回の開催として定着しており、2026年もこの枠組みを踏襲する。ワークショップは前年に続き同種企画を継続し、人気コンテンツを繰り返し提供することで、地域イベントとしての認知とブランドの浸透を図る。
日別に異なる開閉時間の設定や、混雑時の整理券運用の有無は、3施設間の回遊設計と密接に関わる。県内外から集まる多様な出店者と、歩いて周遊できる会場構成を組み合わせることで、波佐見陶器まつりの人流を取り込みながら、自社ブランドと地域一帯の魅力を発信する試みとなる。マルヒロは3施設を束ねた自社イベントを通じて、産地の新たな来訪体験づくりを進める構図だ。
