ジャパンシステム株式会社(東京都渋谷区)は、「行政経営支援サービス FAST 財務会計」の最新シリーズ「バージョン6.0」をリリースした。標準機能を備えたまま導入・運用が可能で、導入後も一律の機能強化を受けられる仕組みを採っている。自治体業務の効率化やデータ活用を通じ、行政のデジタル化を進めるねらいがある。
新シリーズは、広く外部システムと接続できる標準連携を特徴とし、導入後も独自改修に頼らず刷新できるよう設計した。文書管理や電子契約、電子決裁など多様な仕組みと連携しやすく、長期的に維持しやすい体制を取る。財務会計システムを中心とした行政運営のPDCAの強化支援に位置づけられる。
全国280以上の団体で稼働
同システムは全国で280以上の地方公共団体に導入されており、特に東京都特別区では23区中13団体(構築中を含む)で採用されている。新バージョンでは全団体共通仕様が採用され、団体間で運用事例やデータを比較可能になった。定期的なアップデートは全団体一律で実施される仕組みをとる。
また、三重県東員町では、既存の文書管理システムと連携した形で「FAST財務会計」を導入している。会計業務の電子決裁や文書保存の自動化を進め、行政評価や実施計画と予算編成をつなぐシステム運用が行われている。
外部連携とBPR支援で全体最適へ
ジャパンシステムは自社で文書管理など多様な外部システムとの標準連携機能を提供している。加えて、導入効果を高めるための業務改革コンサルティング(BPR)を併せて進めている。これらを通じて、単体導入ではなく行政機関全体の運用を支える仕組みを整える方針を示している。
FAST財務会計の現行バージョンでは、全団体への要望収集を定期的に実施し、優先度の高い機能を段階的に追加する予定だ。AIやデータサイエンスを取り入れた改良も構想に含まれているが、現時点で具体的な導入時期などは示されていない。
新バージョンの提供開始にあたって数量制限などの記載はなく、常設運用を前提にしている。再販予定や提供期間の限定については明示されていない。
外部連携では、電子契約や電子請求などのシステムを保有するベンダーとの協業を進める形を採っており、同社が開発面と提供面を担う。構築後の運用も自団体単位ではなく全団体一律の更新を想定している。
一連の運用は、全団体共通仕様とする設計に基づいており、カスタマイズよりも汎用設計の維持を優先している。これにより、運用時の異動や引き継ぎ負荷を軽減する形をとる。地方自治体のシステム環境に合わせた仕様分離などは記載されていない。
今回のリリースは、同社がこれまで40年以上にわたり自治体会計分野に提供してきた業務支援ソリューションの延長線にある取り組みだ。既存の利用団体への定期機能強化を中心に、共通仕様と標準連携を主軸に据えた運用を進める構えを示している。