北陸電力株式会社(富山市)は6月28日、中東情勢の悪化を受け、燃料費の変動に伴い夏場以降に電気料金が上昇する見込みだと説明し、利用客に理解を求めた。主力燃料の価格が上昇しているという。影響は料金に及び、家計や企業の電力コストの上振れにつながる可能性がある。
北陸電力は決算発表の会見で、発電燃料の価格動向と電気料金への反映について説明した。北陸電力が発電に使用する石油は全体の1%と少ない一方、主力の石炭をはじめLNGの燃料価格が、中東情勢と円安の影響を受けて上昇しているという。北陸電力は、燃料費の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」に基づき、夏場以降の料金上昇が見込まれるとし、今回の説明は同制度に沿った対応の位置づけになる。
北陸電、料金上昇に理解
北陸電力は、燃料価格の上昇局面で電気料金が上がる可能性を明示し、利用客の理解を求めた。
燃料価格は中東情勢の影響を受けやすい面があり、加えて円安が輸入燃料の調達コストを押し上げる構図になる。北陸電力は、石油の使用比率は全体の1%と小さいとしつつ、石炭とLNGの価格上昇が全体コストに影響していると説明した。
同社は今回の事態を受け、社長をトップとする対策本部を立ち上げた。
燃料の確保に加え、経営の効率化や価格高騰の抑制を目指すという。燃料調達と社内の対応を同時に進める体制を明確にした格好だ。
燃料費調整制度で反映
北陸電力は、燃料費の変動を電気料金に反映させる燃料費調整制度に基づき、夏場以降の電気料金の上昇が見込まれるとした。
燃料市況の変化が料金に波及する仕組みを前提に、足元の燃料価格の上振れが今後の調整に影響し得るという整理になる。
今回の説明では、燃料の内訳にも触れた。
石油の使用は全体の1%にとどまる一方、主力の石炭に加えてLNGの燃料価格が上昇しているとした。料金の上昇見込みは、特定燃料の比率だけでなく、主力燃料の価格変動の影響が大きいことを示す内容だ。
26年3月期は減収減益
北陸電力の2026年度3月期の連結決算は、売上高が7865億円、経常利益が850億円だった。
前の年度と比べ、売上高は8・4%減、経常利益は6・9%減となり、4年ぶりの減収減益となった。販売電力量は増加したものの、燃料費の調整などが業績に影響したという。
通期の業績見通しは、売上高7600億円、経常利益350億円を見込む。
七尾大田火力発電所2号機の長期停止などの影響により、経常利益は58.8%減少する見通しだ。燃料費の上昇局面に加え、発電設備の稼働状況が収益見通しに影響する構図が浮かぶ。
対策本部で燃料確保へ
北陸電力が設置した対策本部は、社長をトップに据え、燃料の確保と経営効率化、価格高騰の抑制を目指す。
背景には、中東情勢の悪化に伴う燃料価格の上昇と、円安が輸入コストに与える影響がある。同社は石油の使用比率が1%と小さい一方で、石炭とLNGの価格上昇が経営に影響している点を明確にした。
外部環境の変化は、電気料金に反映される仕組みを通じて、需要側のコストにも波及する。
北陸電力が示した料金上昇見込みは、燃料価格の動きと為替環境に連動する形だ。運用面では、燃料確保の対応と、効率化によるコスト圧縮の進捗が、需要家への影響の度合いに関わる論点となる。
料金転嫁と供給体制が焦点
北陸電力は燃料費調整制度に沿って料金が動く前提を示し、燃料確保と効率化を同時に進める体制を立ち上げた。
燃料価格の上昇と円安の影響が続く局面では、料金への反映と、七尾大田火力発電所2号機の長期停止を含む供給体制の制約が、企業の電力調達コストと事業運営に直結しやすい。
需要家側からは、夏場以降の料金上昇の見込みが示されたことで、電力コストの想定と運用の組み立てに影響が及ぶ。
取引管理の観点では、燃料費調整制度による変動を前提に、電気料金の変化が契約や予算にどの範囲で反映されるかが注目点となる。今回の動きは、燃料市況と為替の変化が電力料金と事業運営に波及する局面を映す。
