株式会社Fusic(福岡県福岡市中央区)は、Singapore Takada Industries Pte. Ltd.(STK社)から社内デジタル化プロジェクトを受注した。STK社の業務プロセスをデジタル技術で刷新する内容で、クラウドや生成AIなどを活用した技術支援を提供し、業務効率化と競争力強化を段階的に進める。
プロジェクトはSTK社の社内向けの取り組みで、既存の業務プロセスをデジタル技術で再構築するもの。Fusicはクラウド基盤の整備や生成AIを用いた業務支援などを担い、STK社側の業務刷新と連動させながら、効率化と高度化を図る。
高田工業所連結売上高580億円
取り組みは複数のフェーズに分け、順次ローンチする予定だ。STK社は東証スタンダード上場の株式会社高田工業所(福岡県北九州市)のグループ会社。高田工業所は2025年3月期の連結決算で売上高580億6741万円、営業利益29億3380万円、経常利益28億7755万円、親会社株主に帰属する当期純利益23億900万円を計上した。プラント事業を主軸に、子会社8社、その他関係会社1社でグループを構成し、日本とシンガポールを含むアジア地域で事業展開している。
STK社は1971年にシンガポールで設立され、石油・ガス、石油化学・化学プラント、製薬プラント、発電所、半導体工場などを対象に、エンジニアリング設計・建設・メンテナンスを手がけてきた。高田工業所グループとして、顧客企業の設備投資や保全需要に関わる領域で、設計から建設、メンテナンスまで一貫した機能を提供している。
FusicはASEAN地域で複数の海外プロジェクトを手がけた実績を持ち、今回のSTK社向け案件も同地域での展開を深める動きとなる。STK社の業務プロセス刷新を軸に、クラウドや生成AIなどを活用した技術支援を行う点が今回の受注の柱となる。
高田工業所グループは第5次中期経営計画(2022~2026年度)で、ICT推進による生産性向上と競争力強化を重点施策の一つに掲げ、グループ全体でDXや先進技術の導入・活用を進めている。STK社が担う海外拠点の業務プロセスをデジタル技術で見直す今回のプロジェクトは、同計画が示す方向性と整合的な社内施策となる。
プラント関連の設計・建設・メンテナンス業務は、複数案件の同時進行や関係者間の情報連携が不可欠であり、デジタル化による標準化・共有基盤の整備が生産性や品質の向上に直結する。高田工業所は直近決算期に設備投資27億6300万円、研究開発費1億8600万円を実施しており、事業運営に必要な投資と並行してICT活用による効率化施策を進める姿勢を示している。日本とシンガポール、アジアにまたがる事業展開の下、海外拠点を含む業務の見直しとデジタル技術の適用がグループ横断で進行している。
複数フェーズで順次
運用面では、プロジェクトを複数フェーズに分けて順次ローンチする計画だ。Fusicがクラウドや生成AIなどを活用した技術支援を担い、STK社が自社の業務プロセスを段階的に刷新する構図となる。どの業務領域からデジタル技術の適用を始めるか、どの段階で対象範囲を拡大するかが、フェーズ設計を左右する要素となる。
複数フェーズでのローンチを前提とした運用では、導入対象とする業務範囲や手順を精査し、Fusicが担う技術支援の範囲とSTK社側の運用体制を明確に切り分けることが課題となる。プラント事業に特有の安全性や品質管理の要請を踏まえつつ、デジタル化の対象を広げていくプロセスが焦点となりそうだ。
