株式会社関電工(東京都港区)は、エネルギー使用状況を可視化するエネルギーマネジメントシステム「WATTMILL(ワットミル)」の販売を2026年3月1日に開始する。オフィスビルや商業施設、工場、学校、病院など多様な施設で活用を想定し、電力利用の把握と省エネルギー運用の向上を図る狙いだ。電源レス・配線レスの設置方式を採用し、自社施設で実証を重ねてきた。
同システムは、省エネルギー施策を日常業務に組み込み、持続的に運用できる形式をとる。建物全体の使用電力の見える化によって、ピークカットやエネルギー最適化を支援する構成であり、クラウド利用により複数拠点での管理にも対応する。関電工は総合設備企業として、通信・電力・建築設備分野での施工・保守業務に加え、環境関連技術の展開を進めている。
脱炭素規制強化に対応した動き
WATTMILLの販売開始時期は、国による排出量取引制度の導入(2026年度予定)や炭素賦課金制度の開始(2028年度予定)といった政策スケジュールと重なる。こうした制度対応を見据え、企業や自治体が自らのエネルギー消費を把握し、対策を進める仕組みを整える動きが広がっている。関電工はこれを踏まえ、低コストで運用しやすいシステムとして開発した位置づけだ。
全国対応で幅広い用途を想定
同システムは、全国での導入を前提に展開される。関電工のエネルギー管理支援サービス資料によると、WATTMILLはエネルギー使用の可視化に加え、デュレーションカーブに基づくピーク把握や省エネ計画策定支援などの機能を持つ。対応エリアは国内全域で、主に建設業や製造業、教育機関などを対象とする形をとっている。システム導入は特定の施設規模(契約電力200kW程度)を基準に想定している。
関電工が開発・販売まで一貫
運用においては自社のCNソリューション企画部が担当部門となり、導入支援・運営管理を行う。クラウド利用型の設計を採用しており、各拠点でのモニタリングや制御データの一元管理が可能な構造をとる。
販売開始日は固定されており、毎月1日の「省エネルギーの日」に合わせる形式で進められる。省エネ制御機能を空調設備と組み合わせる構成が含まれ、ピークカット機能は1分単位での電力把握に基づく。クラウド管理による拠点統合機能は、小規模施設でも利用できるよう設計されている点が特徴だ。
省エネ制度改正を踏まえた導入需要
2025年に改正された省エネ法により、2026年4月以降は中規模非住宅建築物の基準が強化される。こうした制度改正に伴い、建物単位での電力使用把握やデータ管理を行うシステムの需要が広がる方向が示されている。関電工は自社で培った計測制御技術を背景に、制度対応型のシステムとしてWATTMILLを位置づけている。
脱炭素化や建築物の省エネ義務化により、企業のデータ活用需要が高まるなか、関電工はエネルギーマネジメント領域での設計・施工・保守の一体対応を進める方針を示している。