株式会社エフオーテクニカ(宮崎県宮崎市)は、次世代育成支援対策推進法および女性活躍推進法に基づき、社員が仕事と子育てを両立できる雇用環境の整備を目的とした「一般事業主行動計画」を策定した。計画期間は令和6年4月1日から令和9年3月31日までの3年間で、有期雇用の女性従業員の正社員登用や、男性従業員の育児休業取得促進などを段階的に進める。
同社は今回の行動計画で、社員の働き方に関する社内制度を整備し、女性の職業生活における機会拡充を図ることを目的としている。これまでに社内で実施してきた勤務体制や雇用形態の見直しを踏まえ、新たに有期契約社員からの正社員登用を全事業所で募るほか、男性を含む全従業員に対して育児休業制度の周知を進める方針を示した。
3年間で5人以上の女性正社員登用へ
行動計画では、令和7年1月以降に有期契約社員を対象に正社員登用希望を募り、上長による面接と評価を経て80点以上の者を候補として役員会に推薦するとしている。役員会での承認をもって登用を決定する仕組みを採用し、計画期間中に5名以上の女性従業員を正社員化する目標を掲げた。また、年次有給休暇の取得実績を把握・分析し、管理職を通じた取得促進の取組を行う。
両立支援体制を社内構造に組み込む方針
行動計画の背景には、子育て世代が安心して働ける職場づくりを求める法制度の広がりがある。次世代育成支援対策推進法では、仕事と育児の両立を支援する行動計画の策定が企業に義務付けられており、女性活躍推進法では、女性の採用・管理職比率の改善を目指す環境整備が求められている。エフオーテクニカはこれらの法律に対応する形で、自社方針を明文化した。
背景には、帝国データバンクの調査で明らかになった、全国企業の約半数が福利厚生の充実に意欲を示す動きもある。特に建設や運輸・倉庫業など人手不足が深刻な業界では「社員と家族を支える支援策」に注力する企業が増えており、こうした潮流が中小企業にも波及している。
これを受け、同社は男性従業員の育児休業取得にも重点を置く。令和6年4月から管理職会議で育児休業制度を周知し、8月以降には社内掲示板や配布資料を通じて取得促進を図る。行動計画では「期間内に男性従業員1人以上が育児休業を取得する」ことを具体的な目標としている。
正社員登用や育児休業の施策は、全社員の有給休暇取得日数の年間平均8日以上の達成とあわせて評価される予定だ。全従業員を対象とした取得促進の取り組みが盛り込まれており、管理職が取得率の向上に関与する体制をとる。
雇用形態の変換と周知プロセスを制度化
正社員登用は、応募から評価・役員会承認までを明確な手順として定めている。社内掲示物で登用希望を募る形をとり、全事業所で統一的に運用する。登用基準や選考手順を示すことで、従業員間の理解を得るプロセスを設けている点が特徴だ。男性育休取得についても、管理職への告知から個人周知、パンフレット配布に至るまで段階的に進める。これらの取組には、周知時期と運用開始時期を明示したスケジュールが定められている。
行動計画は、事業所ごとに掲示や説明資料を通じて告知され、従業員向けに公開された上で労働局に届け出る手続を経る。全社的な合意形成を重視する構造が取られており、策定後も社内外への継続的な周知が義務付けられている。
3年間を通じて取り組みを実施する方式を採る。単年度での完結ではなく、正社員登用・育休取得・有給休暇の3項目を通じた達成度の確認を想定している点が特徴となる。
社内での意思決定過程が明確であるため、対象社員にとっても手続や判断基準が把握しやすい構造になっている。計画は単発ではなく、令和9年3月末までの3年間を一体の取組期間として設定されている。
