コーンズテクノロジー株式会社(東京都港区)は、代理店を務める米Teledyne FLIR社がISO 26262機能安全規格に準拠した世界初のASIL-B(Automotive Safety Integrity Level B)対応長波長遠赤外線(LWIR)サーマルカメラ「Tura(チューラ)」を発売したと発表した。車載ナイトビジョン、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転向けに開発された新製品で、完全な暗闇や霧などの環境下でも人や動物などの認識性能を発揮するとしている。
同カメラは、自動車の「歩行者対応自動緊急ブレーキ(PAEB)」を含む安全支援機能の性能向上を目的に設計されている。既存の自動緊急ブレーキ(AEB)では検知が困難とされる高速走行時の夜間試験シナリオにも対応する。Teledyne FLIR社の遠赤外線技術は、完全自動運転車にも導入されており、複数のセンサーモジュールを組み合わせて360度認識を実現する仕組みを取る。
世界初のASIL-B対応を取得
Turaは長波長遠赤外線センサーを採用し、640×512ピクセル解像度の高感度FIRセンサーを搭載する。歩行者や動物など交通弱者の検知・分類を想定した性能を備えるとされる。暗闇や逆光、霧など条件下でも使用可能で、現在すでに入手可能とされている。関連する説明を行うオンラインセミナーが3月12日に予定されている。
Teledyne FLIR社OEM部門のポール・クレイトン氏は、過去20年間で100万個以上の車載用赤外線カメラモジュールを製造してきた実績に言及し、安全性重視の設計体制に沿った供給を続ける方針を述べた。
安全基準FMVSS127にも対応
本製品は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が策定する連邦自動車安全基準(FMVSS)第127号の要件をサポートしている。同基準では夜間高速走行時の歩行者検知性能が求められる。Turaはこうした国際的な安全基準に整合する設計を取っており、自動車メーカーが先進運転支援技術を開発する際の運用基盤となる可能性を示している。
テレダイン・テクノロジーズ傘下のTeledyne FLIR OEMは車載関連企業との共同開発実績を有しており、一部ではヴァレオと共同で夜間視界ADAS向けシステムを展開している。複数の赤外線カメラを統合して、夜間や視界不良条件下でも走行環境を広範囲に把握できる仕組みを構築している。
これまで同社は産業・防衛分野での赤外線センサー提供を続けてきたが、自動車規格ISO 26262への準拠製品が明示されたのは今回が初となる。
供給体制とセミナー運営
Turaは数量や販売期間などの詳細が示されていないが、既に受注可能な状態とされている。国内での販売・サポート・技術サービスはコーンズテクノロジーが担当する。提供形態は製品単体販売に加え、量産製品への組み込みサポートも含む形をとっている。セミナーはオンライン形式で実施され、同製品の技術特性やAI認識事例を紹介する内容で構成される。販売業務を担うコーンズテクノロジーは、日本と海外のメーカー間で技術商社としての仲介を行う。