18日、株式会社ブルボン(新潟県柏崎市)は、不二製油株式会社、センコー株式会社、中越通運株式会社、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)と共同で、31フィート冷蔵コンテナを活用した鉄道によるラウンド輸送を開始した。新潟と関西間を結ぶ輸送で、環境負荷低減やドライバー不足への対応を目的とする取り組みだ。
今回の取り組みでは、新潟から関西方面へのブルボン製品輸送で使用した冷蔵コンテナを、関西から新潟へ戻る際に不二製油の製品輸送に活用する。往復運用により輸送効率を高め、モーダルシフトを推進して持続可能な物流網の構築を狙う。ブルボンが製品発送、新潟側のドライ輸送を中越通運、関西側をセンコーが担い、鉄道区間をJR貨物が担当する体制を整えた。
31フィート冷蔵コンテナで往復輸送を効率化
31フィート冷蔵コンテナの採用により、従来より積載効率の高い輸送が可能となった。
ブルボンは空コンテナ回送を削減でき、不二製油は幹線輸送を鉄道で一元化しドライバーの負担軽減が見込まれる。
鉄道輸送は大量輸送に適し、一度に多くの荷物を運べるため労働生産性が高い。中長距離の幹線輸送で鉄道を基軸に据えることで、トラック依存低減と脱炭素の両立が進む。
各社は輸送ループの有効活用を通じて、空車走行の削減と二酸化炭素排出量の抑制を実現しようとしている。この仕組みにより物流コストの抑制だけでなく、貨物ターミナル間のコンテナ循環を高め、安定輸送に資することが期待される。
連携の背景にある物流課題とモーダルシフトの流れ
ブルボンは1924年に創業し、菓子製造の主力企業として全国に製品を供給している。近年は少子高齢化や気候変動に伴う供給網の安定が課題となっており、自社物流の効率化を重要視してきた。
不二製油は植物性油脂やチョコレートなど業務用食品素材を国内外で供給しており、幹線輸送網の再構築を進めている。センコーと中越通運は全国的な運送・倉庫機能を持ち、多様な輸送モードを活用したロジスティクス提案を得意とする。
JR貨物は全国の鉄道網を基盤に、貨物鉄道による中長距離輸送で人手不足解消と環境配慮の改善を推進している。
背景には、国内物流業界全体が直面する「物流2024年問題」がある。ドライバー不足や労働時間上限の厳格化により、長距離トラック輸送への依存がリスクとなっている。
こうした中でモーダルシフトとコンテナ大型化を進めることは、輸送能力の維持と環境負荷の軽減に不可欠とされる。鉄道輸送の労働効率と冷蔵機能付き大型コンテナの組み合わせは、その解決策の一つとされている。
協業を通じた持続可能な物流網の構築
5社の協力枠組みでは、商品輸送の往復活用を軸に、新潟・関西間の輸送を1本化して相互利用する点が特徴だ。
ブルボンは自社生産拠点から関西への出荷に鉄道を活用し、不二製油は関西工場からの出荷を新潟方面の貨車に積み替える。
センコーと中越通運がそれぞれの地域で陸上輸送を担当することで、効率的な連続輸送体制が形成される。各社が役割を分担し、協業でリソースを共有する体制は、今後の持続的物流モデルの試金石と言える。
環境負荷の低減に加え、鉄道利用による排出削減の定量的効果も期待される。
鳥瞰的に見ると、輸送遅延リスクの分散と荷主間連携の深化を両立しており、地方製造業・食品産業にとっても再現性のある事例となる。
業界関係者の見方と今後の展開
業界関係者の間では、大型冷蔵コンテナによるラウンド輸送は、トラック依存脱却の具体例として注目されている。
鉄道貨物事業者にとっても、こうした往復ルート運用は利用率向上につながる。
ブルボンを含む5社は、今後も協働によって安定した輸送を続けるとし、社会全体の物流課題に対応していく方針だ。
今回のラウンド輸送は新潟―関西間が対象だが、複数地域での展開や他業種への応用も視野に入る。
モーダルシフトの拡大や輸送ループの共有化が進むことで、鉄道と陸上輸送の連携強化が一層重要になる。
食品大手によるこうした共通輸送モデルの試行は、サプライチェーン全体の最適化に向けた流れの中にある動きだ。