株式会社yutori(東京都)は3月13日、元AKB48でモデル・実業家として活動する小嶋陽菜が代表取締役CCOを務める株式会社heart relationの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。株式は残る49%を追加取得する。取締役会決議と契約締結を同日に実施し、公式対応として手続きの枠組みを示した。グループの意思決定と利益取り込みが変わり、ブランド運営の機動力に影響しそうだ。
yutoriはheart relationの株式を100%まで買い増す。目的は、heart relationが継続的な成長を遂げ、安定的に利益を創出している点を踏まえ、yutoriグループの収益基盤の強化と資本効率の向上につなげるためだ。完全子会社化により、heart relationの利益成長をより直接的に株主価値へ反映させるとともに、グループ内の迅速な意思決定を可能にし、従来以上のスピード感を掲げる位置づけとなる。
yutoriが49%追加取得
今回の取引では、小嶋を含む個人5人からheart relation株式の残り49%を取得する。株式譲渡実行日は4月30日とした。
契約は3月13日に締結し、同日開催のyutori取締役会で決議した。取得完了後、yutoriの持ち分は100%となり、heart relationは完全子会社となる。
yutoriは今回の判断について、heart relationが継続的な成長を遂げ、安定的に利益を創出している点を挙げた。今後も成長余地を有しており、完全子会社化は収益基盤の強化と資本効率の向上に資する重要な施策と位置づける。併せて、迅速な意思決定を通じたグループ経営の加速を狙う。
取得費用は19億6000万円
株式取得にかかる費用は19億6000万円とした。アドバイザリー費などは含まない。
追加取得の対象となる49%は個人5人が保有しており、対価の支払い方法には現金に加え、yutori株式の割り当てを組み合わせる。
小嶋はheart relation株式の45.5%を保有しており、個人の譲渡額は18億2000万円となる。
このうち一部は、yutoriが第三者割当により新株式を発行し、小嶋へ割り当てる形を取る。
第三者割当で5万3600株発行
yutoriは第三者割当増資により新株式5万3600株を発行し、全株式を小嶋に割り当てる。
発行価格は1株あたり2176円で、発行総額は1億1663万3600円となる。これにより小嶋はyutori株主にもなる。
手続きは、heart relation株式に係る譲渡の決済として、譲渡代金債権の一部(116,633,600円分)を小嶋がyutoriへ現物出資し、その現物出資に基づきyutoriが第三者割当で新株を発行する構成だ。
現物出資されない譲渡代金債権については、yutoriが現金で支払う。
上場後の子会社化を深化
yutoriは2018年の創業以来、SNSマーケティングを強みにストリートブランドを中心に複数のアパレルブランドを運営してきた。
2023年12月に東京証券取引所グロース市場に新規上場し、資本市場での調達環境を得た後、事業基盤の拡張を進めている。
yutoriは2024年8月、アパレルブランド『Her lip to』、ビューティブランド『Her lip to BEAUTY』、ランジェリーブランド『ROSIER by Her lip to』を運営するheart relationを子会社化し、51%の株式を保有していた。今回の完全子会社化は、その資本関係をさらに踏み込み、利益の帰属と経営判断の統合を強める動きとなる。
外部環境面では、収益性の高い事業の利益成長をどの範囲まで連結で取り込み、資本効率の改善につなげられるかが運用上の論点となる。
意思決定の迅速化が焦点
yutoriは完全子会社化により、heart relationの利益成長を直接的に株主価値へ反映できると説明した。併せて、迅速な意思決定を可能にし、従来以上にスピード感のあるグループ経営を目指すとしている。
取引管理の観点では、譲渡代金の一部を現物出資と第三者割当で決済する枠組みを採るため、決済手段の内訳と実行日(4月30日)の手続き進行が注目点となる。今回の動きは、上場後に進めてきたブランド運営領域の資本統合を一段深める流れに位置づく。
