株式会社ユーエイ(大阪府大阪市)は18日、ナブテスコ株式会社と共同で開発した電動アシストユニット「tascal plus(タスカル プラス)」を2026年1月に発売すると発表した。既存の台車に後付けでき、最大1tまでの重量物搬送を安全かつ効率的に支援するのが特徴だ。製造業や物流倉庫などの現場で課題となっていた作業者の身体的負担軽減を目指す。
新製品の開発・供給を担うユーエイは、販売主体として同社が築いてきたキャスター事業の販路を活用し、ナブテスコが提供する電動アシスト制御技術を搭載したユニットを市場投入する。現場の声として多かった「より高負荷の荷物運搬に対応したい」という要望に応える位置づけで、従来モデル「tascal」の上位製品にあたる。高耐荷重と短期導入を両立させ、工場・倉庫での省力化投資の一環となる。
ナブテスコ技術を活用し安全性と操作性を両立
tascal plusは、ナブテスコが福祉機器の分野で培ったアシスト制御技術を採用。利用者の押す・引く動作に合わせてアシストが働く構造で、急発進や急停止を抑制し、安全性を高めている。
ユーエイが開発した独自のアタッチメントにより、既存の台車への後付けが可能な仕様とした。導入時のコストを抑え、短期間で運搬効率を向上できる点も特徴だ。
最大1tまで対応する高耐荷重設計のため、特定の熟練作業者に依存していた重量物運搬をより幅広い従業員に分担しやすくする。
従来のtascal(300㎏対応)と比較して約3倍の許容荷重を実現しつつ、操作は従来機と同様に直感的でシンプルな方式に統一。女性やシニア層も扱いやすい設計としている。
製造・物流業界での人手不足課題に対応
ユーエイはこれまで、台車用キャスターや搬送機器の製造販売を手がけてきた。長く中小から大手までの製造現場や物流事業者に製品を供給し、現場改善の提案活動も進めている。自社ブランドとして展開する「tascal」シリーズは、導入のしやすさと操作性を重視した設計が特徴で、300㎏以下の荷物を扱う現場で支持を得ていた。
背景には、物流・製造分野における人手不足と高齢化がある。特に重量物取扱い作業では身体的負担が大きく、女性や高齢者では対応が難しいケースも多い。
これを受け、企業各社では設備投資による省人化・安全対策の強化が進む傾向にある。
電動アシストユニットは、装置更新よりも小規模投資で効果が得られる手段として注目されている。
デモ体験も実施、現場導入を後押し
tascal plusは、ユーエイが運営する各拠点(東京・名古屋・大阪・広島・福岡)を通じて提供を開始する。
実際の走行性能を体験できるデモンストレーションを受け付け、導入予定企業への説明機会を設けている。
販売体制を含めた実証利用を積み重ね、活用現場の拡大を図る方針だ。
物流倉庫や自動車部品工場、金属加工など、重量物を扱う業態での利用を見込む。
ユーエイは販路を活かしながら、ナブテスコのアシスト制御製品群との連携を深めることで、運搬工程全体の効率化を支援する構えをみせている。
現場への波及と今後の注目点
今回の取り組みは、既存の台車資産を有効活用しつつ安全性を高めるもので、製造・物流業界が抱える人員負担の是正策の一つといえる。
アシスト機構の後付け化は他業種にも展開可能な技術であり、設備更新を伴わずに現場改善を進められる点が注目される。
企業間連携による省力化ソリューション拡充の流れの中で、同社の新製品がどのように浸透していくかが今後の焦点となる。