吉野家ホールディングス(東京都中央区)の100%子会社である株式会社シェアレストラン(代表取締役:武重準)は、間借りマッチングプラットフォーム「シェアレストラン」を活用した新サービス「シェアレストラン for Business」を開始した。間借り店舗を利用し、企業の商品開発や新規事業開発を支援する仕組みだ。開始に合わせ、吉野家自身も自社商品のテスト販売を行うとしている。
これまで「シェアレストラン」は、初期投資を抑えて飲食店を開業できる間借り型の仕組みとして個人出店者の支援に注力してきた。今回の企業向け展開は、既存ノウハウをもとに法人のマーケティング支援領域に踏み込むものだ。間借り店舗で実際に商品を提供し、販売データやSNS反応などの実測値を収集できる点を特徴とする。吉野家ホールディングスグループ内では、未商品化メニューを顧客データに基づき検証する取り組みにも利用される。
開業実績1,000店舗突破
「シェアレストラン」は2020年3月のサービス開始以来、累計で1,000店舗超の開業を支援してきた。年間流通総額は1億円を超え、登録利用者層も副業希望者や学生など多様化が進んでいる。利用者の約2割が独立開業に至り、そのうち2年以内の継続率は98%とされる。こうした結果を踏まえ、公式サイトの利便性向上策としてLINEでの問い合わせ機能も実装した。
間借り形式のため、貸し手である飲食店オーナーにとっても空き時間の収益化手段となる点が特徴だ。飲食業界では新規開業が多い一方で廃業率が高いという課題があり、低リスクで顧客接点を持てる仕組みが注目を集めている。
法人向けサービス運用と役割分担
企業向けサービスでは、登録会員が希望する店舗情報を検索し、内見や契約を経てテスト販売を実施する流れをとっている。販売データやアンケートなどの収集・分析は、シェアレストランが一括して代行する体制を組む。「お任せコース」として、企画設計からレポート作成までの一連工程を請け負う仕組みが設けられている。これにより、企業側は商品テストの工程を効率化できるようにしている。
提供期間は案件ごとに設定され、間借り営業中のスペースを活用する形で進められる。今回、吉野家が実施する「幻の逸品グランプリ」は東京都中央区で平日のみ4週連続開催とされ、メニュー単位で週替わり提供を行う形をとる。
同一プラットフォームでは、後継者課題に対応する「アトツギレストラン」もスピンオフとして展開しており、店舗継承マッチングの実績も公表されている。