優しい街と株式会社(愛知県一宮市)は、障がいのある方を対象としたワンルームアパート型グループホーム「ゆいまちとひとり」1号棟を4月、岐阜市内に開設する。専属インテリアスタイリストの関与により、入居者が複数のスタイルから部屋を選んで入居できる仕組みを掲げる。これにより、住まいの選択肢を具体化する狙いがある。
「ゆいまちとひとり」は、完全個室のワンルームでプライバシーを確保しつつ、夜間の支援体制も備える形をとる。優しい街と株式会社は、グループ会社の不動産事業で培った地域ネットワークと物件調達力を活用し、障がい者の入居に難色を示す大家が多いとされる状況に対して、不動産側からアプローチする目的を示している。代表取締役の島崎慎吾氏はインテリアスタイリストとして空間づくりを手掛けるとしている。
岐阜市で1号棟開設
開設は岐阜市内で、対象は障がいのある人とされる。入居者は事前に部屋を見学し、自分の好みに合う空間を「選んで」入居する流れを掲げ、入居後も希望に応じて部屋づくりのサポートを受けられるとしている。
住まいを巡っては、内閣府「令和5年版障害者白書」で全国の障がい者数が約1,160万人とされ、グループホーム利用者数は、この15年で3.5倍(4万8,394人から17万2,901人)に増えた一方、全国で2万2,000人が施設やグループホームの入居を待つとのNHK調査(2024年7月)も記載した。
ミライロ社調査では、一人暮らし未経験の障がい者の63%が「一人暮らしをしてみたい」と回答し、グループホームの利用希望者のうち30〜40%が一人暮らしに近い環境を望むとした。国土交通省調査では、大家の74.2%が障がい者の入居に拒否感を持つとし、障がい者の約3割が実際に入居を拒否された経験があると記載した。
開発の経緯では、グループホームの事業者が代わりに物件を探す動きとして、当たった物件が50件ですべて不可だったとしている。旧耐震基準に該当する、用途地域の制限がある、グループホームへの用途変更が認められない、管理会社・保証会社が対応できない、大家が難色を示すといった理由を挙げた。
そのうえで、建築基準法を読み解き、用途地域を確認し、オーナーと直接交渉する積み重ねの先に「ゆいまちとひとり」が生まれたとしている。加えて、入居者が「与えられた部屋」に入居するしかない状況もあったとして、「与えられた部屋」から「選ぶ部屋」への転換を打ち出した。
物件調達と支援体制
供給の形態は、ワンルームアパート型のグループホームで、完全個室と夜間支援体制を掲げる。入居前の見学を経て、複数のインテリアスタイルから入居者が部屋を選択する仕組みを示している。
体制面では、優しい街と株式会社が運営主体となり、グループ会社の不動産事業の地域ネットワークと物件調達力を活用する形をとる。空間づくりは、インテリアスタイリストとしての知見を持つ代表が手掛けるとしている。
岐阜市内での開設により、入居前見学と部屋選択の流れが、運営面でどこまで標準化されるかが焦点となる。取引管理・法人営業の観点では、物件調達をグループ会社の不動産事業のネットワークに依拠する形とされ、空間づくりは代表の関与を前提とする運用である点が、連携時の整理事項になりうる。
