ウイングアーク1st株式会社(東京都港区)は、ウイングアークNEX株式会社(大阪市)と共同で、福岡県北九州市が導入する公共施設予約システム「ラクリザ」の運用を開始した。政令指定都市では初導入となり、スポーツ施設や文化施設、市民センターなど258施設を対象に順次展開する。キャッシュレス決済やデジタル庁の「デジタル地方創生モデル仕様書」に準拠した基盤を採用している。
北九州市は施設ごとに異なる審査や抽選、利用区分が存在する複雑な運用課題を抱えていた。ウイングアークは同市の委託を受け、地域創生ラボで進める「ザ・北九州モデル」の一環として実証実験を重ね、現場の運用形態に即したシステムを構築した。行政サービスの効率化と住民利便性の向上を両立させることを目的とする取り組みだ。
北九州市258施設で段階展開
今回の本番運用で対象となるのは、市内258施設。体育館やキャンプ場、斎場など多様な種別を含み、各施設で異なる予約ルールや料金体系に対応する設計をとる。政令指定都市で初の本格稼働事例であり、北九州市がファーストユーザーとして導入した位置づけだ。
ウイングアークが2025年までに実施した2回の実証実験で得られた知見を踏まえ、本番版ではノーコードによる設定変更機能や操作性を重視した設計を導入。市民は直感的なUIを通じて予約できる仕組みへ移行している。
ウイングアークとNEXが開発・運用連携
システム開発はウイングアークが主導し、NEXが連携して北九州市の委託に基づく形で体系化した。ウイングアークが北九州に設置した地域創生ラボを拠点に、産学官共創の仕組みを用いて実証と改善を繰り返す開発体制を築いた。これにより、調達から運用までを地域密着の枠組みで行う構成をとっている。
運用開始後も両社は連携協定に基づき、市と共同で継続的改善を進める方針を示している。北九州市が委託する形での共同関与が続く点が今回の特徴だ。4月から段階的に管理対象施設を拡大していく構成となっている。
「ザ・北九州モデル」は、20件以上の地域DX・GXプロジェクトを展開するウイングアークの地域創生ラボの活動に含まれている。今回の「ラクリザ」もその実証成果に基づく実運用展開の一手とされている。
本運用では、現場担当者がノーコードで設定を変更できる設計を採用する方針を示している。開発体制の一部は委託関係に基づき継続される予定と記されている。
今回の導入は、ウイングアークが自治体と推進するDX支援プロジェクト群の中で実装フェーズに入った事例に当たり、既存の実証活動から行政業務システムへの移行に至った点で節目を示している。
