Well Body株式会社(東京都港区)は、企業向けフィジカルケアサービス「Offi-Stretch(R)(オフィストレッチ)」を自社の福利厚生として正式に導入した。現場へ出張して施術を提供する社内セラピストの稼働増を踏まえ、疲労回復を図るとともに、施術を受ける側の視点(ピアレビュー)を通じたプログラム品質の向上を同時に狙う。
導入の核は、所属する理学療法士同士が定期的に「相互ケア(施術の受け合い)」を実施する点にある。Well Bodyは、提供者であるセラピスト自身の心身コンディションを整えることが、クライアント企業への施術提供体制の維持につながるとの考えを示している。企業向け出張施術サービスを担う人材の稼働管理を、福利厚生の設計と直結させた取り組みとなる。
2022年創業の施術展開
Well Bodyは2022年創業で、企業向け出張施術サービス「Offi-Stretch(R)」を展開してきた。導入企業数の急拡大に伴い、現場へ出張して施術を提供する社内セラピスト(理学療法士)たちの稼働が増加しているという。自社サービスを福利厚生に組み込むことで、社内の施術提供者を対象にした定期的な相互ケアの機会を設け、業務負荷の蓄積に目配りする運用へつなげる。
相互ケアの運用では、疲労回復に加え、施術を受ける体験を通じた「顧客視点」の更新や、プロ同士の技術的フィードバック(相互評価)を重ねる。Well Bodyは、慢性的な疲労や痛みを未然に防ぐ「未病予防」とパフォーマンス維持、ならびに提供プログラムの品質(満足度)の維持・向上に結び付ける狙いを掲げる。代表取締役の水野純一は、健康経営支援を掲げる以上、提供者自身がそれを体現する必要があるとの認識を示した。セラピストが疲弊した状態では健康経営支援が難しいとの考えから、社内でもOffi-Stretch(R)を実施する運びとなり、そこで得た学びをサービス改善に生かしているという。
水野は理学療法士として2万人を診た経験を持ち、その経験を基に独自メソッドを開発してきた経緯がある。整形外科医の松平浩氏が顧問に就任している点も、医療知見に接続しながらサービス設計を進めてきた流れを示す。今回の社内導入は、外部のクライアント企業向けに提供してきた枠組みを、自社の人材マネジメントへ折り返す形で具体化した格好だ。
社内導入は、Well Bodyのオフィスで理学療法士同士が定期的に相互ケアを行う形をとる。施術を「提供する側」と「受ける側」を社内で往復させることで、疲労回復と、施術体験に基づくピアレビューを同時に回す設計だ。出張での施術提供は移動と現場対応を伴うため、稼働が増える局面では提供者側のコンディションがサービス継続の論点になり得る。相互ケアを福利厚生に組み込むことで、現場の稼働と社内の整え直しを同一の制度枠で運用する考え方を打ち出した。
相互ケア運用を社内化
今回の社内導入は、理学療法士同士が定期的に「相互ケア(施術の受け合い)」を行う運用を中核に据える。施術の提供者が施術の受け手にもなる往復を制度化し、疲労回復の機会を組み込みながら、施術体験に基づくピアレビューを回す構造をとる。相互評価を重ねる点は、個々の技術や接遇の更新を日常の運用の中に埋め込む設計となる。
社内での実施場所はWell Bodyのオフィスで、理学療法士が担い手となる。Well Bodyは、社内導入を通じて理学療法士自身のコンディションと技術力を高め、より質の高いOffi-Stretch(R)を提供できる体制を強化する方針だ。
供給面では、出張で施術を提供する社内セラピストの稼働増という状況を背景に、今回の運用をその稼働を支える内向きの枠組みとして位置付ける。委託や外部連携の形ではなく、自社の理学療法士同士の運用で成立する点が特徴となる。継続性については「定期的に相互ケアを実施する」としており、単発企画ではなく、一定の反復を前提とした運用設計を打ち出した。
出張施術の競争軸変化
企業向けフィジカルケアでは、出張施術サービスを展開する企業が増加傾向にあり、理学療法士の国家資格を生かした差別化事例も出てきている。機器中心のサービスも並走するが、血行促進や疲労回復を求める需要を背景に、非接触型から人的施術へと関心が移る動きもある。こうした中で、提供者の稼働をどう維持し、サービス品質をどう更新するかが、受託側のオペレーションの差になり得る。
Well Bodyの社内導入は、福利厚生の充実という人事施策であると同時に、提供者のコンディションと品質管理を同じ運用回路に置く設計を示している。社内セラピストの稼働増という事業局面に対し、相互ケアを制度化し、疲労回復とピアレビューを同時に回す点は、人的サービスの継続供給という観点で論点を提示する。類似事例として、セラピスト疲労管理を目的とした社内ケアプログラムを展開する企業がある一方、相互ケア形式でピアレビューを取り入れる点は独自性を打ち出すものだ。
また、企業福利厚生ではメンタルとフィジカルを統合したケアの事例が増えており、従業員の不調対応を単一領域で完結させない設計が広がっている。人的施術を提供する側にとっては、メニュー拡張だけでなく、提供者の育成・稼働・レビューを含む運用設計が競争条件となりつつある。焦点は、外部向け提供の拡大局面で、提供者側のコンディション整備と品質更新をどこまで仕組み化できるかに移っている。
企業の調達・取引管理の観点では、出張施術の提供体制が社内セラピストの稼働に依存する構造を踏まえ、運用の単位が「現場提供」と「社内ケア」でどう連動するかが注目点となる。Well Bodyの今回の取り組みは、出張で施術を提供する社内セラピストの稼働増を背景に、相互ケア(施術の受け合い)を福利厚生に組み込むことで、疲労回復とピアレビューを同時に回す運用へ接続した点に特徴がある。
