株式会社WEAVE(広島県広島市)代表取締役CEOの久保直樹は、高校生向けAI教育プログラム「ひろしまAI部運営コンソーシアム」の役員体制に監事として参画した。広島県知事 横田美香や広島県教育委員会 教育長 篠田智志らとともに、生成AI時代に即した学びを支える枠組みづくりを担う。人手不足が続く中、主体的に考え判断できる次世代人材の育成が焦点となっている。
久保は、生成AI教育の現場において学びの質を第三者的な立場から確認・改善する役割を担う。県・教育委員会・地元企業が協働する構造の中で、AIを単なるツールとして教えるのではなく、思考力や判断力を養う教育設計を重視する。法人向け研修の知見を踏まえ、学び手の経験格差を抑えた持続可能な教育モデルを構築する狙いだ。
高校生向けAI教育で生成AIネイティブ育成へ
ひろしまAI部は、広島県主導で発足した産学官連携組織「ひろしまAI部運営コンソーシアム」が運営し、高校生のAIリテラシー向上を目的にしている。
令和6年6月に始動し、令和7年度から新たなカリキュラムの運営を予定している。株式会社WEAVEは協働パートナーとして、生成AIの基礎講座や実践ワークの設計・運営を担当する。
高校生がAIと対話しながら自ら考え、試行錯誤する経験を積むことで、AIを活用して価値を生み出す「生成AIネイティブ世代」を育てる狙いがある。単なる操作教育にとどまらず、同一環境下で平等に最新技術に触れられる点も特徴だ。学びを通じて、一人ひとりが現場での判断力を磨くことが期待されている。
WEAVEの提供する研修ノウハウを教育現場に反映
株式会社WEAVEは法人・自治体向けの生成AI活用支援や研修事業を展開し、企業が現場でAIを運用に結びつけるための仕組みを構築してきた。助成金制度を活用した研修や部門別実践講座、導入コンサルティングを通じ、地方や中小企業を中心とした人材育成を支援している。
この経験が教育分野への応用につながり、学びの質を保つための専門知見として生かされる。
久保は、AI教育が急速に普及する一方で、講師スキルや学習体験の差が課題となる点を指摘している。
そのため監事として、地域・学校間で生じうる学習機会の偏りを点検し、改善に結びつける体制づくりを推進する。学習現場での公平性確保や体験設計の質向上が、同事業の持続性を左右する要素とされている。
背景に地方の人手不足と教育現場の課題
広島を含む地方では中小企業を中心に慢性的な人手不足が続く。従来の即戦力採用型の人材確保には限界があり、自ら考え行動できる若年層を育てる仕組みづくりが課題となっている。
こうした状況下で、高校生の段階からAIを活用し思考力を高める教育は、将来的な労働力確保策としても注目されている。
生成AIが社会の前提となりつつある中で、教育環境の整備が追いつかない懸念もある。特に機器導入や指導者育成にかかる負担が大きく、教育現場ごとの格差が生まれやすい。
今回の監事就任は、こうしたリスクに対し民間の実践的知見を導入し、行政主導の枠組みを補完する動きとして位置づけられる。
久保CEO「高校生は社会変化の担い手」
久保は、自社の法人向け研修を通じ、「生成AIツールの操作は理解できても、現場での応用に迷う声が多い」と実感しているという。そのため高校生段階からAIを伴った思考訓練を行うことが重要だと述べている。生成AIを特別視せず、考えることや判断することの基盤として位置づける姿勢が一貫している。
教育と産業現場を結ぶ新たなモデルへ
ひろしまAI部は、行政・教育機関・企業が役割を分担しながら生成AI教育を推進する試みだ。地方の特色を生かしつつ、教育の段階から実務に直結するAI活用スキルを培う点で、今後の人材育成モデルとして注目されている。
久保の参画により、学びの持続性と質の担保がテーマとして浮き彫りになった。
こうした流れは、企業研修と学校教育を連続的にとらえ直す動きとも言える。
民間が教育に関与する形として、今後他地域への波及も期待される。今回の動きは、産学官連携による人材育成の新たな段階を示すものとなりそうだ。