和小物ブランドを展開する株式会社和心(東京都渋谷区)は、京都市の主要観光エリアである新京極、祇園、錦市場の計4店舗を改装し、体感型の店舗空間へ刷新した。店頭には提灯や行燈、暖簾など伝統的要素を用い、訪日観光客を含めた幅広い層に日本文化を感じさせる設計を取り入れた。店舗ごとの演出も見直され、視覚要素と動線を意識した構成に一新した。
改装は「お客様の動的目線」「スタッフの動線」「和の中でのトレンド感」を共通テーマに、空間設計を再構築するもの。通りを歩く人の視線を分析した店頭構成や、接客と会計を効率化する導線設計を採用した。観光体験の過程全体を捉え直す趣旨で、単なる内装変更にとどまらず、販売空間の再定義を図っている。和心は「日本のカルチャーを世界へ」を掲げる企業であり、今回の改装もその方針の一環となる。
京都4店舗で刷新進む
対象は「新京極1円着物wargo本店」「京都祇園北斎グラフィック」「京都京錦北斎グラフィック」「京都新京極かんざし屋wargo」の4店舗。「1円着物wargo」では提灯やネオンを組み合わせた店頭演出に変更し、「かんざし屋wargo」では店舗中央にとんぼ玉を立体的に配置した展示を導入した。観光エリアごとに異なる照明と素材を用いた店舗構成が特徴となる。
『北斎グラフィック』の2店舗では、布の揺らぎと光を活かした照明設計を採用し、昼夜で異なる外観を演出。いずれの改装も常設店舗として運営される。数量限定や再販予定の明示はない。
直営主体での空間再構築
企画・設計・製造・販売を一貫して自社で行う体制を取る和心が、リニューアル全体を主導している。同社が手掛けるかんざし、傘、箸などの和雑貨ブランドに共通するデザイン思想をもとに、各業態で空間設計を統一する形をとった。外部業者との協業や委託生産の明示はなく、自社設計に基づく施工となっている。
対象店舗の運営も同社直轄で行われ、京都の観光都市としての立地特性を踏まえた常設店舗運営を前提としている。期間限定などの表記はなく、再オープン後の定常営業の形をとる。
今回の改装はいずれも単発の案件として発表されており、継続的な改装シリーズや追加計画に関する記載はない。過去には原宿や金沢など他都市での店舗改装実績があるが、今回の京都での刷新は独立した取り組みとされる。
和心は2025年以降、ウェブサイトの刷新や観光地店舗の改装を相次ぎ実施しており、京都における今回の体感型店舗リニューアルは、同社が展開するインバウンドMD事業の中でも重要な動きとなる。京都観光地での店舗構成の再設計により、観光と消費を結ぶ滞在体験の設計精度が焦点となる。