産直通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(東京都港区)は、今冬の記録的な大雪で被害を受けた生産者の農産物を「食べて応援」する特集ページを新設する。被害に遭った生産者向けの支援窓口も設け、食べチョク未登録の被災生産者は優先的に審査対応する。被害状況の周知と購入行動を通じた支援につなげる狙いを示した。
特集は「令和8年大雪被害に遭った生産者さんの農産物を『食べて応援』」の名称で展開する。ビビッドガーデンは、東北から上信越地方で農業用ハウスや鶏舎の倒壊、果樹の枝折れ、土砂崩れなどが報告される状況を受け、被害を受けた生産者の商品をまとめて紹介する枠組みを設けた。被害状況は運営側で確認した上で掲載する形をとり、消費者へ状況を伝える取り組みの一つに据える。
食べチョク130万人基盤
ビビッドガーデンによると、雪に阻まれて被害状況を確認できない場所も多い中で、見込んでいた収穫量の約20%に被害が出ているという生産者もいるという。食べチョクは2026年2月時点でユーザー数が130万人、登録生産者数が11,400軒、出品数が約5万点としている。被災状況の周知を、一定の利用者基盤に向けて同時に行う形になる。
特集ページの開設に加え、SNSやプレスリリースによる情報発信(#農家漁師からのSOS)、予約商品の出品サポート、新規登録の審査体制強化などを実施するとしている。被災生産者向けの連絡窓口を設け、食べチョク登録済みの生産者はフォームから支援やサポート希望を申し出る形を示した。未登録で被害に遭った生産者は、優先的に審査を実施し、最短1日で出品可能としている。申請フォームの特記事項に「令和8年大雪被害に伴いサポート希望」の旨を記載する運用を示した。
ビビッドガーデンは2016年11月29日設立で、食べチョクの運営を通じ全国11,400軒以上の生産者と連携してきた。事業としては個人向けの産直通販に加え、法人向けの「食べチョク for Business」も展開している。今回の取り組みは、気候変動や自然災害に伴う被害が表面化した局面で、生産者の販売機会と情報発信を同時に支える枠組みを追加する動きになる。
同社はこれまでも、気象災害や環境要因による生産者の被害に関連した特集ページの開設などを実施してきた経緯がある。令和7年瀬戸内の牡蠣大量死、2025年8月の大雨被害、2025年7月の梅農家の雹被害、2025年6月のさくらんぼ収穫量減少などに関する支援施策を打ち出した事例が示されている。今回の大雪被害を受けた特集新設は、同社が既存の運営体制を用いながら、被害発生後に支援導線を増やす対応の延長線上に置かれる。
外部環境では、今冬の東北・上信越の大雪は強い冬型の気圧配置と温暖化による水蒸気量の増加が主な要因といわれる。現場では、雪で移動や確認が難しく、被害の全体像がつかみにくい状況も重なったとされる。ビビッドガーデンは、生産者から「この状況を消費者へ知らせてほしい」という声があったことが、今回の取り組みの契機になったという。
被害確認後に掲載運用
特集ページへの掲載にあたり、ビビッドガーデンは被害状況を運営で確認するとしている。被災生産者向けの支援窓口を設置し、登録済み・未登録で連絡導線を分ける形をとる。あわせて、SNSなどでの情報発信や予約商品の出品サポート、新規登録の審査体制強化を実施するとしている。掲載可否の判断を運営側の確認手続きに置く点が、運用の骨格になる。
生産者の被害状況は3月6日現在として一部を紹介しており、青森県大鰐町では鶏舎1棟が倒壊した例、山形県鶴岡市では梨棚のワイヤーや線が切れる被害、青森県弘前市ではりんごの主幹が裂けたり主枝が折れる被害などが挙がっている。大雪に伴う設備破損や圃場へのアクセス障害、果樹への物理的損傷が同時に起きている状況が示されている。
運用面では、食べチョク未登録の被災生産者に対し、優先審査で最短1日で出品可能とする点が焦点になる。今回の動きは、今冬の大雪被害を受けた生産者の商品をまとめて紹介する枠組みを新設し、登録済み・未登録の双方に支援導線を用意する取り組みとなる。
