株式会社ビジョン(東京都新宿区)は、成田空港内に「グローバルWiFi®レンタルステーション」を新たに設置した。空港カウンターでの受け渡しに加えて完全セルフ型で機器を受け取れる手段を用意し、訪日外国人と日本人の海外渡航需要の回復・拡大を踏まえ、空港での通信サービスの利便性向上を狙う。
「グローバルWiFi®レンタルステーション」は、その場で借りてすぐに使えるモバイルWi‑Fiレンタルサービスと位置づける。利用者はステーションに表示された2次元コードから申し込み、同じ機器からWi‑Fiルーターを受け取って即時に利用を開始できる。設置開始は3月10日で、空港の有人カウンターに加え無人での受け取り手段を追加する運用となる。
成田空港で6台運用
成田空港には6台の「レンタルステーション」を導入した。ビジョンは新千歳、成田、羽田、中部国際、関西国際、伊丹、福岡の7空港に設置先を広げている。利用後の返却は国内20空港40拠点で受け付けるほか、宅配やコンビニからの宅配返却にも対応する。対応エリアは海外145カ国・地域に及び、空港内の受け渡し網と返却網を組み合わせて運用してきた。
今回の導入は、空港カウンター中心の受け渡しに対し、完全セルフ型の受け取りを加えるものとなる。対応言語は日本語のほか英語、中国語(繁体字)とし、今後も拡充していく。空港内での受け取り導線を増やし、利用者がステーション上の2次元コードから申し込み、同一機器で受け取る手順を整備する。
設置機器は、従来のスマートロッカー型サービス「スマートピックアップ」と比べてコンパクトで、省スペースでの設置が可能だという。空港内ではスペース制約が大きく、カウンター以外のタッチポイントを増やす際に設置面積が運用要件となる場合が多い。ビジョンは設置場所を順次拡大する方針を示し、今後はホテルや観光案内所などへの設置も進める。
ビジョンは2001年設立で、東証プライム市場に上場している。グローバルWiFi事業を主軸に情報通信サービスなどを展開し、中期計画では「タッチポイント拡大」などを掲げる。空港内の受け取り手段の多様化は、既存の受け渡し網を補完し、需要増に対応する動きとなる。
訪日客と出国需要の回復が、空港での通信関連サービス需要を押し上げている。観光庁の統計では2025年の訪日外国人旅行者数は3687万人と前年から47.1%増加した。日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の日本人海外渡航者数は1768万人で、2019年比で91.8%の水準まで回復した。人流の増加に伴い、出発・到着が集中する空港では受け渡しの混雑が生じやすく、多言語での案内や24時間帯を含む受け取り導線の整備が運用面の課題になっている。
7空港展開と返却網
空港Wi‑Fiレンタルの提供形態は、有人カウンターや宅配に加え、セルフ型の自動機やロッカーの導入が広がっている。成田空港でも他社が自動機を展開しており、利用者側の選択肢は増加傾向にある。こうした中でビジョンは、7空港への設置と国内20空港40拠点での返却、さらに宅配やコンビニからの宅配返却を組み合わせる設計とし、空港内外での受け取りと返却の選択肢を拡充する。返却は空港拠点のほか宅配、コンビニからの宅配返却も含めた運用とし、利用者の行動パターンに応じた柔軟な手段を整える。
