アップガレージグループの株価は安値圏でもみ合う展開で推移している。2月に2026年3月期第3四半期決算を発表し、累計の売上高は11,073百万円、営業利益は787百万円で着地した。暖冬の影響があった一方、第3四半期で過去最高の売上高・営業利益となった。これを受け、出店ペースや収益構成の変化が、用品リユースの需給と店舗運営に波及する可能性がある。
第3四半期までの増収増益は、主力のリユース業態でのリユース需要の拡大が継続したことに加え、直営店の売上高増加と、下期からのFCロイヤリティ値上げが寄与した。直営店の新規出店は通期で10店舗となり、年間出店計画5店舗を上回った。海外ではアップガレージUSA2号店のオンタリオ店(アメリカ合衆国カリフォルニア州)が11月末にオープンし、店舗網の広がりを示した。同社はカー&バイク用品リユース業態と流通卸売業態を展開し、店舗運営・フランチャイズシステム・EC(電子商取引)サイト運営を組み合わせた事業運営の一環とみられる。
売上高1,107億円
2026年3月期第3四半期累計の売上高は11,073百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は787百万円(同2.5%増)となった。通期予想は下方修正し、売上高15,100百万円(前期比8.0%増)、営業利益1,080百万円(同3.4%増)を見込む。流通卸売業態が想定を下回る見込みとしつつ、利益面では計画を上回る新規出店費用や採用・教育に伴う人件費など、先行投資の影響が織り込まれたとしている。
足元の月次動向では、2月の直営店既存店売上高が前年同月比7.1%増、フランチャイズ店既存店売上高が同6.0%増となった。上旬の降雪で中古スタッドレスタイヤの販売が伸長し、冬物在庫の消化が進捗した。中旬以降は全国的な気温上昇を受け、中古タイヤホイールやライダース用品を中心に買取・販売が好調に推移したようだ。
同社の事業構成は前期売上高に対し、リユース業態が約60%、流通卸売業態が約40%という。流通卸売業態は、タイヤ流通センター(2025年3月期売上高に対して14.1%)と受発注プラットフォーム「ネクスリンク」(同26.5%)で構成される。受発注プラットフォームは、メーカーとの取引を一元管理し、作業の簡略化やペーパーレス化を通じた業務改善を掲げ、導入企業数や購入頻度、購入単価をKPIとしている。
出店46都道府県へ
リユース業態の店舗は、FC店を含め全国46都道府県に出店し(未出店地域は?知県のみ)、直営店77店舗、FC店198店舗、USA2店舗の計277店舗(2026年2月末時点)となっている。FC関連収益にはロイヤリティ収入(店舗売上高×3.0%)、FC店新規出店諸経費、EC手数料などが含まれる。直営は粗利60%を目途に運営し、顧客層は車の愛好家層とライトユーザー層の割合が4:6で、30〜50代の男性が9割を占めるとしている。
流通卸売業態のタイヤ流通センターは、オンラインでのタイヤ取付・交換サービスの提供に加え、自動車整備工場やガソリンスタンドなどへのFC展開およびタイヤ卸販売を行う。2025年12月末時点で全国203店舗を展開し、収益はFC加盟店からのロイヤリティ収入とタイヤの販売が計上される形をとっている。
競合についてアップガレージグループは少ないとしつつ、メルカリやヤフオクなどの個人間取引プラットフォームが競合と認識されることもあるとしている。一方で、価格重視のライトユーザーから嗜好性を求めるマニアまで幅広くカバーする点や、オン・オフライン両チャネルを備える点、原則として最低1週間の保証付与、売買履歴・回転日数などの独自データに基づく価格設定などを挙げている。
運用は直営・FC・EC
リユース業態は、アップガレージが直営店舗、FC店舗、ECサイトでリユース商品の買取・販売を行う形をとっている。FC関連収益はロイヤリティ収入(店舗売上高×3.0%)のほか、FC店新規出店諸経費やEC手数料などで構成され、下期からFCロイヤリティ値上げが寄与したとしている。直営店の新規出店は通期で10店舗とされ、年間出店計画5店舗を上回るペースだった一方、通期予想では新規出店費用や採用・教育に伴う人件費などの先行投資影響が織り込まれている。
流通卸売業態のタイヤ流通センターは、オンライン提供に加え、自動車整備工場やガソリンスタンドなどへFC展開およびタイヤ卸販売を行う枠組みだ。収益はFC加盟店からのロイヤリティ収入とタイヤ販売の計上を基本とする。
中古カー用品721億円
中古カー用品の市場規模は、2024年時点で約721億円(シェア34.4%)とされ、その後毎年約3%拡大している。フリマアプリの影響でリユース市場への参加者が増加する中で、アップガレージグループはニッチトップのポジションを確立しているとしている。店舗網を直営・FC・ECで持つ点や、保証付与と独自データに基づく価格設定を掲げる点は、個人間取引と比べた取引条件の設計に関わる要素となりうる。
一方、同社は通期で直営店10店舗の出店加速を示しつつ、通期予想では流通卸売業態が想定を下回る見込みも織り込んだ。リユース業態が売上高の約60%を占める構成のもと、直営店の増加とFCロイヤリティ改定が収益にどう反映されるかが、用品リユースと関連する流通機能のバランスに影響する可能性がある。2030年に同社シェアを43.8%まで伸ばす想定(中期経営計画)や、営業利益率10%超の実現を掲げる記載もある。
今後の注目点は、通期予想に織り込まれた先行投資(新規出店費用、採用・教育に伴う人件費等)と、流通卸売業態の想定未達見込みが、どの事業要素に紐づく形で推移するかにある。FCロイヤリティ値上げが下期から寄与した点と、直営店出店が通期で10店舗となった点を、条件変更と体制拡張の事実として織り込む必要がある。
