株式会社Ultimate Life(大阪市東成区)は、一部ホエイプロテイン商品の価格を3月3日に改定すると発表した。世界的な需要拡大に伴う原料価格の高騰が続いており、現行価格での販売継続が難しくなったため。今回の改定はグロング(GroG)ブランドのホエイプロテインを対象とする。
同社によると、ホエイプロテイン原料の国際市況は2026年に入り再び上昇傾向を強めている。輸送費や包装資材の節減策を実施してきたが、コスト吸収の限界に達し、品質維持と供給安定のため値上げを決定した。今後も市況次第で追加の価格改定を検討する可能性があるという。
ホエイ原料高騰が続く中での判断
今回の価格改定は、世界的な乳製品需要の拡大を背景にした原材料高に対応するものだ。ホエイプロテインは乳清を主原料とし、特に健康志向や筋力増強需要の拡大により市場が膨張している。
2023年後半から続く価格上昇は2024年以降さらに顕著となり、WPI(ホエイプロテインアイソレート)など精製度の高い原料の上げ幅が大きい。Ultimate Lifeは物流や梱包の内部改善で吸収を続けたが、健全な事業継続には限界があると判断した。
同社は2025年6月および12月にも同様の対応を実施しており、仕入れ価格や通貨変動を考慮した段階的な改定を重ねてきた。
筋肉増量やダイエット需要の高まりを受け、世界的な供給逼迫が価格を押し上げる構図が続いている。
複数回の値上げが示す国際需給の変化
Ultimate Lifeは2013年に設立され、大阪を拠点にサプリメントやトレーニング器具の販売、リユース事業を展開している。
プロテイン事業では、自社ブランド「グロング」を軸にオンライン販売を拡大してきた。近年は原料高への対応として生産体制と物流の最適化を進め、2025年5月と12月にも価格見直しを行っている。
乳清原料の国際価格は、アジア圏での消費拡大や欧州の乳製品需給逼迫の影響を受けて上昇を続けてきた。特に乳たんぱく質の供給がタイトになり、国内メーカーも海外原料への依存度が高いため、為替レートの影響も受けやすい。
関係者によると、今後も乳価上昇の波は収まりにくく、他社の同種製品にも波及する可能性がある。
品質維持を優先、供給網の安定化に注力
同社はこれまでも品質維持を最優先に掲げ、価格転嫁を避けるためにコスト吸収を継続してきた。
物流倉庫の統廃合や資材削減などで生産効率を向上させたが、それでも上昇する調達費を吸収しきれなかった。今回の改定は、長期的な供給体制の安定を確保するための措置として位置付けられる。
関係者は「健全な事業継続のためには一定の価格調整が不可欠」と話す。
乳たんぱく市場では、天候や輸入制限など予測困難な要因も多く、仕入れ価格は短期間で数%単位の変動が生じる。経済的負担を抱える小規模ブランドにとっても、今後の調達戦略は重要な課題となっている。
継続的な値動きと市場環境の行方
ホエイプロテイン市場では、スポーツ愛好層だけでなく健康維持を目的とする一般利用も広がっている。
サプリメント全体の需要が底堅い一方で、原料の供給不足や物流コスト上昇が課題だ。日本国内では、食品表示基準改正や製造管理の見直しなど制度的変化も重なり、製造・販売各社に追加対応が求められている。
Ultimate Lifeは「価格改定後も品質を維持し、安心して利用できる商品を提供していく」とし、引き続きコスト抑制策を講じる方針を示した。
今後は市場安定期に入るまで流通在庫の調整と供給計画の見直しを進める見通しだ。
今後の注目点
今回の値上げは、国内プロテイン市場におけるコスト転嫁の広がりを示すものとなる。海外原料依存度の高さや国際輸送費の上昇など外的要因が続く中、メーカー各社の価格対応動向が焦点となる。
特にホエイ系原料の安定確保と、消費者への影響を最小限に抑える調達体制の強化が課題として浮かび上がっている。
