株式会社TOKYO BASE(東京都港区)は、新セレクト業態「KEY TIMEZ(キータイムズ)」を始動する。表参道、新宿、大阪、難波、香港での出店が決まっており、表参道ではMENSとWOMENSの2店舗を3月11日にオープン予定だ。カジュアル市場へ本格参入する方針を示している。これにより、同社の既存事業領域外での店舗展開が進む形となる。
KEY TIMEZは「日常と特別の境界にある“価値あるひととき”を提案するセレクトショップ」をコンセプトに掲げ、大人がリラックスして楽しめるカジュアルスタイルを提案するとしている。株式会社TOKYO BASEが展開してきた“編集力”と“ブランド発信力”を、より広いマーケットへ適応させる挑戦とし、次の10年を担う主力事業として構想した新業態だ。空間デザインはSO,u co.,ltd.(代表/吉田 幹)が担い、「別荘」をイメージした設計を採り入れるとしている。
6店舗を一挙展開
出店は表参道、新宿、大阪、難波、香港の5拠点で決定した。表参道では「KEY TIMEZ MENS OMOTESANDO」と「KEY TIMEZ WOMENS OMOTESANDO」を同日に開く予定で、新宿は3月12日、大阪は3月19日のオープン予定としている。難波と香港は今夏のオープン予定としている。表参道で2店舗を同時に設ける計画のため、開店は計6店舗の一斉立ち上げとなる。
店舗は、表参道が表参道ヒルズ内(2FとB2F)、新宿がルミネ新宿2の3F、大阪がグランフロント大阪 南館の4F、難波がなんばパークス2F、香港が1881 Heritageに設ける計画だ。日本国内のみならず世界展開も視野に入れたグローバルプロジェクトとして始動するとしている。取り扱いブランドは店舗ごとに異なるとしている。
商品面では、別注企画として「YOKE × KEY TIMEZ」の別注レザーフライトジャケットを用意するほか、KEY TIMEZの開始と同時にオリジナルレーベルもローンチするとしている。オリジナルは日本製にこだわり、国内の工場や職人と共に生産するとしている。
株式会社TOKYO BASEは2008年12月12日設立で、東京証券取引所プライム市場に上場する。セレクトショップ事業としてSTUDIOUS、THE TOKYO、JAPAN EDITION、CONZを運営し、ブランド事業ではUNITED TOKYO、PUBLIC TOKYO、CITY TOKYO、RITANを展開してきた。新業態の立ち上げは、同社の業態ポートフォリオを広げる動きとして示された。
出店と設計の役割分担
空間デザインは、物販店舗や住宅、飲食店の設計・デザインを手掛けるSO,u co.,ltd.が担う。同社は「別荘」をイメージし、都市の喧騒から少し距離を置いたような、ゆったりとした時間が流れる空間を設計し、木の温もりや柔らかな照明、余白を活かしたレイアウトを採り入れるとしている。運営面では、表参道でMENSとWOMENSを分けた2店舗体制を取り、新宿、大阪、難波、香港にも拠点を設ける計画を示している。
今回の計画は、首都圏の商業施設に加えて関西、さらに香港までを同一業態でつなぐ構成となる。難波と香港は「今夏オープン予定」とされ、具体日程は示されていない。店舗ごとに取り扱いが異なるとされており、各拠点での品ぞろえは同一設計に固定しない形をとっている。
経緯として、株式会社TOKYO BASEはこれまで、STUDIOUSをはじめとするモード/綺麗めゾーンを中心に事業を展開し、日本ブランドの価値を国内外へ発信してきた。KEY TIMEZではそのモデルを基盤としながら、フィールドを広げ、カジュアル市場へ本格参入する方針を示している。国内外複数拠点に同時に店を構える点は、単独店の追加出店というより、業態そのものの立ち上げを伴う展開として示された。
外部環境では、開業時期に合わせて主要商業施設側の改装・新規出店の動きが重なる。表参道ヒルズでは2026年春にかけて、KEY TIMEZの開店と同時期にAMAZINGCREやHOORSENBUHSの旗艦店など、複数の新業態や国内初上陸の出店が並行している。ルミネ新宿2でも同時期に新規開店が相次ぎ、ルミネ全体では130店のリニューアルが進むとされる。館側の入れ替え局面に合わせ、ファッションに限らずライフスタイル領域を含む店舗構成の多角化が進んでいる点は、今回の出店計画の受け皿となる商業施設側の動きとして整理できる。
