東武トップツアーズ株式会社(東京都墨田区)は株式会社SparkPlusと「AIエージェントに関する技術開発パートナー契約」を結んだ。SparkPlusの高精度RAG基盤「ORION(オリオン)」を導入し、営業支援・経営管理・社内ポータルを横断するAIエージェント群を共同で開発・実装するプロジェクトを開始する。これにより、問い合わせ対応や入力・転記などの工数を減らし、社内業務の効率化につなげる狙いがある。
共同プロジェクトでは、複雑な帳票や非構造化データの活用に関するSparkPlusの技術を、旅行・観光分野の社内業務に応用する。東武トップツアーズは、属人化していた営業ナレッジや情報管理を支援し、営業現場の提案力強化や経営管理の高度化、社内情報基盤の最適化を進める目的を示している。SparkPlusはAIソリューションを開発から運用まで一気通貫で支援してきたとしている。
3領域で共同開発
取り組みは、社内ポータル統合、経営管理の高度化、営業効率化・提案力強化の3つのユースケースを中心に進める。社内ポータル統合では、部署ごとの横断的な問い合わせ対応をAIに集約し、全社的な情報検索・共有を進めるとともに、問い合わせ対応工数の50%削減を目指す。あわせて、定型的な既存の社内ワークフローを自動化するAIエージェントを複数構築し、繰り返し業務の自動化を図る。
経営管理の高度化では、全国各拠点のExcelによる収支管理を統合し、AIが予算シミュレーションを自律的に実施したうえで、月次経営会議資料を自動作成するとしている。営業効率化・提案力強化では、過去の商談データや企画書をAIエージェントが参照し、顧客ニーズに即した提案資料を自動生成する枠組みを示した。
東武トップツアーズによると、現場では企画提案資料の作成時間が増大し、バックオフィスでも入力負荷や転記工数が多い状況があった。経営管理では、膨大なデータの統合作業が毎月・毎期発生し、意思決定の遅延につながる一因と認識していたという。
こうした課題認識の下で、SparkPlusのSaaSソリューションである高精度RAG基盤「ORION」を導入し、営業支援・経営管理・社内ポータルを横断するAIエージェント群を共同で開発・実装する方針を掲げた。RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、AI(大規模言語モデル)が回答を作成する際に外部のデータベースや文書から関連情報を検索し、その情報をベースに回答を生成する技術だとしている。
A2A化を段階拡大へ
今後の方向性として、社内ポータルのA2A(Agent-to-Agent)化や、営業活動におけるナレッジマネジメントの高度化などの領域を優先的に推進し、AIエージェント群の導入を段階的に拡大していく方針を示している。
業務面では、社内ポータル統合、全国各拠点の収支管理の統合、過去の商談データや企画書の参照といった社内データを前提にAIエージェントを横断的に設計する形をとる。取引管理や法人営業の観点では、ORIONの導入範囲が営業支援・経営管理・社内ポータルにまたがる点と、問い合わせ対応工数の50%削減を目指す点が論点になり得る。
