東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)で漏電を知らせる警報が作動し発送電を停止させた問題で、東京電力は3月19日、原子炉を停止させずに復旧作業を進める方針を示した。破損した部品を交換し、3月22日にも発送電を再開する。外部流出や拡散に関する発表はなく、同社が復旧手順と再開時期を公表した。停止期間の短縮により、再開時期と営業運転の工程に影響が及ぶ可能性がある。
東京電力が復旧作業の対象とするのは、漏電時に電気を地面に逃して設備の故障を防ぐアースと発電機をつなぐ「接地導体」だ。東京電力は接地導体を21日までに交換し、22日にも発送電を再開する計画を示した。原子炉は停止させず、発電機側の部品交換で対応する構えで、同原発の菊川浩ユニット所長は営業運転開始について「順調なら4月のどこかになる」との見通しを述べた。
東電、22日にも発送電再開
柏崎刈羽原発6号機はフル出力で試運転中だった3月12日、発電機から電気が地面にわずかに漏れているとの警報が作動した。
東京電力は原因調査のため3月14日に発送電を止め、3月18日に開始予定だった営業運転を延期していた。その後の調査で、アースと発電機をつなぐ接地導体が、発電機側の付け根付近で破断していたことが分かった。
東京電力は3月19日、原子炉を停止させずに復旧作業を進めるとし、破損部品の交換を通じて工程を組み直した。
具体的には接地導体を21日までに交換し、22日にも発送電を再開する段取りだ。営業運転の開始時期については、菊川浩ユニット所長が「順調なら4月のどこかになる」と述べ、延期後の見通しを示した。
接地導体を21日までに交換
交換対象の接地導体は、1996年の運転開始当初から使われていたという。
東京電力は破損原因について、発電機の振動で金属疲労が蓄積したためだと説明した。破損箇所は厚さ1センチで、断面には古い部分と新しい部分があった。定期検査入りした2012年3月までの運転で亀裂ができ、今回の運転で破断に至った可能性があるとみている。
再発防止に向け、東京電力は新たに取り付ける接地導体の仕様も変更する。振動が増大する共振が起こらないよう、接地導体の長さを現行の60センチから25センチに変更する方針だ。
部品交換だけでなく、振動条件を踏まえた寸法変更を組み合わせることで、同様の破断リスクを抑える狙いがある。
12日警報、営業運転は延期
今回の事案は、フル出力での試運転中に漏電警報が作動したことを起点に、発送電停止と営業運転延期へとつながった。
東京電力は3月14日に発送電を停止し、原因調査を進めた結果、漏電時に電気を地面に逃す役割を担う接地導体が破断していた事実を特定した。破断が確認されたことで、復旧は接地導体の交換を中心に行う方針が明確になった。
背景には、接地導体が長期間使用されていたことに加え、発電機の振動による金属疲労が蓄積していたという設備面の経緯がある。
運用面では、営業運転の開始予定日(3月18日)を延期した後、部品交換と仕様変更を短期間で進める工程を組んだ。供給の観点では、発送電の再開が22日とされる一方、営業運転の開始は「4月のどこか」と幅を持つ見通しで、工程管理と再開手順の積み上げが焦点となる。
4月の営業運転へ工程調整
東京電力は、接地導体を21日までに交換し、22日にも発送電を再開する計画を示したうえで、営業運転の開始時期は「順調なら4月のどこか」と説明している。
発送電停止から再開までの手順は、原子炉を停止させずに復旧作業を行う点が特徴で、今後は交換後の運転の積み上げと、延期した営業運転の開始時期をどのように確定させるかが、工程上の主要な論点となる。
