スマサポは3月23日、T&Cテクノロジーズ株式会社(沖縄県那覇市)が営むLINE活用ソリューション事業の譲受を決議し、事業譲渡契約を結んだ。対象は自治体向けの住民コミュニケーション最適化に関わる事業で、導入実績を持つ。本件は、不動産領域で培ったデジタル連絡基盤を公共分野へ広げ、自治体と住民の情報伝達のデジタル化に波及し得る。
スマサポが担うのは、既存の主力アプリ「totono」で展開してきた入居者・管理会社間のコミュニケーション基盤を起点に、T&CのLINE活用ノウハウを取り込む役割だ。T&C側は自治体向け住民コミュニケーションの技術と実績を持ち、スマサポは両事業のノウハウ融合を通じて、防災情報の共有や発信など地方自治の課題解決につなげる狙いを示した。スマサポにとっては、不動産管理会社向けのデジタルコミュニケーション事業基盤を、自治体・公共分野へ拡張する施策の位置づけとなる。
スマサポが事業譲受決議
譲り受けるのは、T&Cが手掛けるLINE活用ソリューション事業である。
T&Cは自治体向けに、住民コミュニケーションの最適化に関する高度な技術と豊富な導入実績を有するとされる。スマサポはこの領域のノウハウを取り込み、自社のコミュニケーション基盤と組み合わせることで、自治体と住民のコミュニケーションをデジタル化できるとした。
スマサポの既存事業では、不動産管理会社から入居者への案内や、入居者からのチャット対応を担うほか、外国人入居者向けの多言語対応も含め、デジタルコミュニケーション領域での事業基盤を築いてきた。
今回の事業譲受は、この基盤を公共分野へ接続し、住民向け情報の共有・発信といった用途を広げる動きとなる。
totono全国展開を公共へ
スマサポの主力アプリ「totono」は、入居者と不動産管理会社のコミュニケーションを円滑化するプラットフォームとして全国展開している。電話中心になりがちな不動産管理会社と入居者のアナログな連絡をデジタル化し、掲示板やチャット、クレーム対応、契約更新などの機能利用につなげてきた。
スマサポは、管理会社の業務コスト削減と、入居者側の情報集約を可能にすると説明している。
今回の事業譲受により、スマサポは「不動産管理会社と入居者」に加え、「自治体と住民」という関係にまでデジタルコミュニケーションの対象を広げる構えだ。
防災情報の共有や発信は地方自治における重要課題の一つであり、両事業のノウハウ融合で課題解決が期待されるという整理になる。
自治体施設で鍵管理導入済み
スマサポは、鍵管理システム「スマサポ内覧サービス」が自治体の管理施設で導入されている点も挙げ、公共分野でのさらなる事業展開の強化が進むとの見方を示した。
これまでの不動産管理領域での接点に加え、自治体施設での導入実績を足掛かりに、公共分野での提供範囲を広げる余地がある。
B2B実務の観点では、スマサポが提供主体となる領域(アプリ運用、チャット対応、多言語対応など)と、T&Cのノウハウが反映される領域(自治体向けのLINE活用設計など)の役割分担、ならびに自治体向け導入時の運用責任の所在が注目点となる。
totono2.0でBPaaS志向も
スマサポは安定的な収益基盤として「スマサポサンキューコール」を持ち、これをもとに「totono」での飛躍を目指すとしている。「スマサポサンキューコール」は、不動産管理会社の先にいる入居者に対して生活サポートを提供し、付帯商品の案内を通じて顧客紹介料を得るビジネスモデルだ。
これに対し「totono」は、不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受するSaaSモデルで提供し、問い合わせ代行などBPOとしてのアップセルも強化している。
加えてスマサポは「totono 2.0」への変革を進め、入居者対応業務やデータ分析などを巻き取る「アウトソーシング×SaaSモデル」=BPaaSとしての提供を掲げる。課金体系は従来の固定金額から、入居者アプリのダウンロード数に応じた形へ移るとしており、新規導入時は一時的に収受金額が低くなる可能性がある一方、DL比率が高まれば増加が見込まれるとしている。
今回の事業譲受は、こうしたデジタル接点と運用ノウハウを公共分野にも応用していく流れの中で位置づけられる。
