拓殖大学(東京都文京区・学長 鈴木昭一)は、3月14日に開催したオープンキャンパスで行った学生プレゼン「先輩学生による受験体験記」を映像として公開した。受験勉強の仕方に加え、受験期特有の不安や葛藤、親への気持ちを語る内容で、受験生や保護者、進路指導担当者が受験期の実感に触れる機会を広げる狙いがある。配信はYouTubeで、会場での様子を収めたフル版と、要点を絞ったダイジェスト版を用意する。
映像化したのは、今春のオープンキャンパスで実施した学生プレゼンテーションで、葛藤や不安を抱えた受験期のリアルな勉強法や親子の対話、入学後に見つけた「夢中になれること」を本音で語った点を前面に出した。登壇は在学生2人で、受験勉強にとどまらない「家族と共に乗り越えた受験期の本音と葛藤」を扱う構成とし、大学受験に関わる層へのエールを込めた。
OC登壇2名を映像公開
配信コンテンツは、3月14日のオープンキャンパス内プログラム「先輩学生による合格体験記(12:40~13:10)」を映像化したもので、公開にあたりタイトルを受験体験記に改めた。内容面では、受験期の不安や葛藤といった心理面と、勉強法や失敗談などの行動面を組み合わせて語っている。視聴対象は受験生に加え、保護者や進路指導担当者など受験期の支援側も想定し、親子や学校現場で共有しやすい語り口を採った。
個別の体験としては、英語で学年最下位だった経験を起点に、大学生になってから様々な国・地域への留学や旅行を経て、東証プライム上場企業に内定した学生の事例を紹介。別の学生は、受験を一人で抱え込まないことを軸に、葛藤や陥りがちな受験勉強の失敗談を取り上げ、「大学でようやく見つけられた、本気でやりたいこと」に触れる内容とした。
映像は、オープンキャンパス当日の学生プレゼンテーションを素材とし、会場での体験をそのまま映像へ転換した点が特徴となる。オープンキャンパスは文京キャンパスで開催し、当日のプログラムを切り出して公開した。拓殖大学は2026年度のオープンキャンパス日程として、6月14日(文京キャンパス)、7月12日(八王子国際キャンパス)、8月1日・2日(八王子国際キャンパス)、8月22日・23日(文京キャンパス)を掲げており、複数キャンパスでの来校型イベントとデジタル配信を組み合わせる運用を進める。
GW前に支援層へ拡張
拓殖大学は、ゴールデンウィーク前後が大学受験に向けての意識が高まり、受験生だけでなく保護者や進路指導担当者の進路サポートも本格化する時期ととらえる。このタイミングに合わせて学生プレゼンテーションを映像として公開し、会場で語られた受験期の感情や親子の対話を、学外へも届ける形を取った。
登壇者は2人の在学生で、映像タイトルは「先輩学生による受験体験記」とした。フル版とダイジェスト版を併用し、オープンキャンパス内の特定プログラムを単位にコンテンツ化することで、来校施策とデジタル配信を連動させる設計とした。
大学入試広報の周辺では、オープンキャンパスを来校者向けの一過性イベントにとどめず、映像配信で繰り返し視聴できる形へ転換する事例が増えている。私立大学は約800校とされ、受験生や高校の進路指導担当者との情報接点をいかに確保するかが広報運用の課題になっている。参加者側でも、学校選択に際し「大学の雰囲気」や「大学生活」を確認する目的でオープンキャンパスを活用する動きが広がり、来校時の体験を共有する手段として動画の重要性が増している。
入試制度面では、総合型選抜を含め、志望理由書や小論文、プレゼンテーション、面接など学力以外の要素を組み合わせた評価が広がっている。拓殖大学も過去のオープンキャンパスで総合型選抜を題材にしたプログラムを設け、来校時の説明と学生発信コンテンツを組み合わせてきた。今回の受験体験記の映像化は、勉強法に加え「受験期の本音と葛藤」を扱う構成とし、進路指導担当者や保護者にとっても支援の参考となる素材の拡充を図る取り組みと位置づけられる。
入試広報の動画DX進む
今回の受験体験記映像配信は、オープンキャンパスの会場内プログラムを起点にしつつ、視聴の場を学外へ広げる点が特徴だ。大学の情報発信は、紙のパンフレットやウェブ記事に加え、YouTubeなどの動画を用いた説明・体験共有へと比重が移りつつある。イベント当日の一度きりの情報を反復視聴できる形に置き換えることで、受験生本人だけでなく、家庭内の進路選択や学校現場の進路指導にも同一の素材を届けやすくなる。
競合環境では、学生プレゼンや在学生の語りを公開する大学が増え、来校前後の情報収集を支えるコンテンツが広がっている。高校側でも、オープンキャンパス参加や「先輩の話を聞く会」といった導線を整備し、資料や動画を共有する例が出ている。こうした動きは、進学先選びにおいて「在学生の声」を重視するニーズが一定程度あることを示す。拓殖大学のコンテンツは、受験期の心理面と行動面を同時に扱い、親子の対話にも踏み込んでいる点で、視聴対象を受験生に限定しない設計となっている。
また、総合型選抜など多面的評価の比重が増すなか、オープンキャンパスのプログラム設計そのものが「説明」から「体験」へと寄りやすくなっている。学生のプレゼンテーションは、大学側の説明文だけでは伝わりにくい学修内容や学生生活の実感を補う役割を担い、来校者の理解を深める手段となる。拓殖大学は、受験勉強の方法論に加え、受験期の不安や葛藤、親への気持ちをテーマに掲げ、進路選択の当事者が抱える心理の揺れを正面から取り上げた。
今後のオープンキャンパスは文京キャンパスと八王子国際キャンパスで複数回の開催を予定しており、来校機会の拡充と映像による接点拡大を組み合わせた情報提供が続く公算が大きい。法人・学校側の実務では、進路指導担当者が生徒や保護者へ提示する情報の質と量が問われやすく、支援層まで視野に入れたコンテンツ設計は、学校現場での共有のあり方にも影響を与える。3月14日のオープンキャンパスで実施した学生プレゼンを映像化し公開した拓殖大学の動きは、来校型プログラムとデジタル配信を一体で設計する入試広報の流れを象徴する事例といえる。
