サントリーホールディングス(株)(東京都)は、2027年3月19日から9月26日まで神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設で開かれる「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」に、「にぎわい創出プロジェクト ゴールドパートナー」として参画する。水素を調理に活用したレストランの企画や、循環型ソリューションの展示・デモンストレーションを通じ、来場者に持続可能なライフスタイルを体験してもらう構想だ。
参画の理由としてサントリーホールディングス(株)は、本博覧会のメインテーマ「幸せを創る明日の風景」に込められた思いに共感した点を挙げる。取り組みは、水素調理を用いた飲食の場を用意し、その前庭で園芸・農業を含む循環型ソリューションを示す構成とする。サントリーグループのパーパスとして掲げる「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」との整合も強調している。
来場者500万人超想定
GREEN×EXPO 2027は、2027年3月19日から9月26日まで、神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設で開催される。約25ヘクタールの敷地を活用し、花・緑・農・食をテーマに来場者500万人超を見込む。サントリーホールディングス(株)は「にぎわい創出プロジェクト ゴールドパートナー」として参画し、協会が2026年3月19日に実施する「開催1年前記者発表会」で新パートナーとして紹介される予定だ。
会期中は、水素を調理に活用したレストランの企画に加え、レストランの前庭に園芸・農業をはじめとした循環型ソリューションの展示・デモンストレーションを設ける。飲食と展示を組み合わせた導線を設計し、来場者の滞在時間や回遊性を高める狙いだ。類似の大型園芸イベントでは、飲食と展示を一体化したブースが来場者の滞在時間を約3割延長したとのデータもあり、体験型の場づくりが集客と滞在強化の手段として定着しつつある。
サントリーグループは、博覧会などの大型イベントで飲食と展示を組み合わせる取り組みを継続してきた。2025年大阪・関西万博では、飲食店の運営とサステナビリティ関連展示を並行して展開した実績がある。水素関連では、2023年から水素調理器具の実証実験を進め、燃焼特性や安全性、運営コストなどを検証しながら、持続可能な調理ソリューションの開発を加速してきた。
水素の商用化に向けては、政策面でも環境整備が進む。政府は2023年に水素基本戦略を改定し、水素サプライチェーンの構築や需要拡大に向けた支援策を打ち出した。国内の水素エネルギー市場は2025年時点で約1兆円規模とされ、発電やモビリティ分野に加え、業務用・産業用の熱利用への展開が期待されている。園芸・農業を含む循環型の取り組みに関する国内市場も2024年時点で約2兆円規模とされ、省資源型の生産やリサイクル技術、バイオマス活用などをテーマにした展示・体験型イベントが増加している。
水素と園芸の役割分担
サントリーホールディングス(株)が示す会期中の枠組みは、水素を調理に生かしたレストランと、前庭での循環型ソリューション展示を組み合わせる構成だ。旧上瀬谷通信施設に整備される会場で、2027年3月19日から9月26日までの会期に合わせた期間限定の運営となる。飲食空間で水素利用の実例を示しつつ、前庭では園芸・農業を起点に資源循環の仕組みを可視化し、食と環境技術を一体で訴求する。
GREEN×EXPO 2027では、企業や大学との共創も進む。ダイキン工業がサントリーと連携し、空調技術を活用したサステナブルな飲食空間を構築するほか、エネルギー効率と快適性を両立する店舗づくりを検討している。近畿大学はサントリー、ダイキンと協働し、園芸・農業分野の研究成果を前庭展示に生かす計画で、耐候性や省資源性に優れた品種、環境負荷を抑えた栽培手法などの紹介が想定される。
レストラン運営と前庭展示の双方で、飲食空間の設計や展示内容の構成に外部組織の知見を取り込む枠組みが整いつつある。サントリーホールディングス(株)は、パートナー企業や大学との役割分担を明確にし、調達や運営管理の体制を固めることで、水素調理と循環型ソリューションを一体的に体験できる場づくりを進める考えだ。
