台湾華語(台湾の中国語)に特化したオンラインスクール「台湾散歩」を運営する株式会社スモールブリッジ(東京都渋谷区)は14日、サービス業に従事する方向けのオリジナル教材「接客台湾華語シリーズ」全4種の提供を開始した。訪日台湾人観光客への対応で「現地の言葉で丁寧におもてなしをしたい」という声を反映し、接客の現場で使う場面を想定した実践的なフレーズを盛り込んだ。
新教材は「台湾人観光客に喜ばれる」をキーワードに、実務に即したフレーズ集として構成した。台湾人ネイティブスタッフと「台湾散歩」のベテラン講師が共同で制作し、現場で使いやすい基本フレーズを抽出。オンラインレッスンでは、日本語で説明できる台湾人ネイティブ講師が指導し、台湾華語の学習が初めての人でも接客に活用できるようにした。スモールブリッジとしては、「台湾散歩」のレッスンと教材の提供を組み合わせ、サービス業の現場ニーズを取り込む狙いがある。
4種で計170フレーズ
教材はホテル・旅館、物販・お土産屋、飲食店の3業態と、飲食店のトラブル対応を対象に4種類そろえた。収録フレーズ数は、ホテル・旅館編が50フレーズ、物販・お土産屋さん編が50フレーズ、飲食店編(現場)が50フレーズ、飲食店編(トラブル時)が20フレーズで、計170フレーズとなる。場面は、チェックイン・アウトや滞在中の案内、来店時の応対や商品案内、注文から会計までのやり取りに加え、売り切れや待ち時間、オーダーミスなどトラブル時の説明やおわびといった対応も含めた。
提供形態は、「台湾散歩」に登録した利用者がオンライン上で教材を閲覧・ダウンロードできる方式を採る。レッスンでは、各フレーズの読み上げ、単語の意味や使い方の確認、発音や声調の改善指導に加え、仕事シーンを想定した練習やロールプレイングを組み合わせる。フレーズ集としての教材と、オンラインでの反復練習を一体的に運用することで、接客現場での具体的な応対場面を想定しながら学習を進められるよう設計した。
法人向けには台湾華語研修での活用を想定し、実際の業務内容や取り扱う商品に応じてフレーズや表現を差し替えたオリジナル版の作成にも対応する。サービス業の接客場面を想定した既存4種を基盤としつつ、企業ごとの業態やサービス水準に合わせて内容をカスタマイズできるようにする。
スモールブリッジは2010年2月1日設立で、台湾華語に特化したオンラインスクール「台湾散歩」を運営する。経験豊富な台湾人講師によるマンツーマンレッスンを柱とし、日常会話からビジネス用途まで幅広いニーズに応じた学習機会を提供してきた。今回の教材では、サービス業従事者向けに業態別の接客場面を切り出し、現場で使う頻度が高い表現を台湾人ネイティブスタッフとベテラン講師が体系的に整理した。
背景には、訪日台湾人観光客への対応をめぐり、現場ですぐに使える台湾華語のフレーズ集を求める声が高まっていることがある。台湾華語は中国語の一種だが、語彙や言い回しの面で台湾独自の表現が多く、学習者の間では「台湾のニュアンスを踏まえた教材」への需要が増えている。インバウンド需要の回復が進むなか、宿泊、物販、飲食といった主要な接客業務の場面を台湾華語に特化して整備する動きが、今回のシリーズ化につながった。
訪日客をめぐっては、日本政府観光局(JNTO)の推計で2025年の訪日外国人観光客数が過去最高を更新する見通しで、台湾を含むアジア圏からの需要が回復を牽引している。サービス現場では多言語対応の一環として、英語以外の言語での応対力を求める声も強まっており、特定の国・地域に合わせた接客表現の習得が課題となっている。こうした環境のもと、スモールブリッジはホテル・旅館のチェックインや滞在案内、物販での来店応対や会計、飲食店での注文・会計、さらにトラブル対応までを細かく分類し、計170フレーズに落とし込んだ教材を整備した。
ネイティブ講師が指導
教材作成は台湾人ネイティブスタッフと「台湾散歩」のベテラン講師が担い、指導は日本語での説明が可能な台湾人ネイティブ講師が担当する。オンラインレッスンでは、フレーズの読み上げやロールプレイングを通じて、接客の流れに沿った会話運びや、台湾人観光客に伝わりやすいイントネーション、言い回しを体得できるようにする。教材単体の配布にとどまらず、レッスン運用と一体化した形で企業や個人の受講者に提供し、訪日台湾人観光客への応対力向上につなげる考えだ。
対象はホテル・旅館、物販・お土産屋、飲食店などサービス業に従事する人を中心とし、訪日台湾人観光客との接点が多い事業者による研修利用も見込む。「台湾散歩」への登録者を対象にオンラインで教材を提供し、法人向けには業務内容や取り扱い商品に合わせたカスタマイズ版の作成も受け付ける。インバウンド需要の拡大が続くなか、現地語を用いたきめ細かな接客を支えるツールとして、オンラインレッスンと教材を組み合わせたサービス展開を進める。
