住友林業株式会社(東京都千代田区)は2月13日、2025年12月期の期末配当について1株当たり28円とし、前回予想より3円増額すると発表した。効力発生日は2026年3月30日を予定しており、同年3月27日に開催予定の定時株主総会に付議する。今回の決定により、2025年12月期の年間配当は前期を上回る水準となる。
同社は中期経営計画「Mission TREEING 2030 Phase2」で掲げる株主還元方針に基づき、配当性向30%以上を維持しつつ、安定的な配当を実施する方針を示している。業績動向を踏まえた今回の配当増額決定は、累進的な還元姿勢を示すものと位置づけられる。
1株当たり28円に引き上げ
今回の期末配当は1株当たり28円で、従来予想の25円から3円の増加となる。
配当総額は172億9500万円となり、前期の164億6200万円を上回る規模だ。配当原資はいずれも利益剰余金から充当する。配当は2025年12月31日を基準日とし、効力発生日は2026年3月30日を予定する。これにより、2025年12月期の年間配当は株式分割前換算で159円となる見通しとなった。
住友林業は2025年6月30日を基準日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施しており、今回の配当金は分割後の株数を反映したものとなる。
前年同期の1株当たり配当金は80円であったが、分割後換算で増配となる水準を維持した形だ。
安定配当の基本方針を維持
同社は中期経営計画「Mission TREEING 2030 Phase2」で、配当性向を親会社株主に帰属する当期純利益の30%以上と定めている。利益水準に応じて柔軟な還元を行う一方、年間配当金の下限を50円に設定し、安定配当を重視する姿勢を明確にしている。今回の増額も、当期の業績水準とバランスシートの健全性を総合的に判断した結果とした。
背景には、木材・住宅関連市場の需要が堅調に推移していることがある。
国内では木造事業やリフォーム事業、海外では米国住宅市場などで安定した収益を確保しており、通期の利益計画を達成可能と見込んでいる。関係者は、同社が国際事業の拡大とともに株主還元を両立させる姿勢を継続する動きとして注目している。
株式分割後も還元方針を維持
2025年7月1日に実施した株式分割後、1株当たりの理論値は3分の1となったが、今回の判断により実質的な還元水準を維持した。
第2四半期末には75円(分割前換算)を配しており、期末の28円を合わせて年間159円となる。この体制により、株数増加後も実質配当水準の維持が可能となる見通しだ。
過去には為替や木材価格の変動による利益率の影響が課題とされていたが、直近では資源調達や販売網の安定化が進み、配当実施の原資を安定的に確保できる体制を整えている。
今後も循環型社会の実現を事業目的に掲げつつ、財務面では安定的な株主還元の維持が焦点となる。
株主総会で正式決定へ
今回の増配案は3月27日に予定されている第86期定時株主総会での承認を経て正式決定となる。
効力発生日は3月30日を予定しており、株主還元の具体的な実施時期が明示された形だ。増配を通じた資本政策の一環として、投資家との中長期的な信頼関係を強化する狙いもある。
国内上場企業の間では安定配当・自己株式取得などを含む総還元性向の向上を重視する動きが続いており、住友林業の今回の配当増額決定はその流れを映すものとみられる。