株式会社杉山製作所(岐阜県関市)は、ミラノデザインウィークに4回目の出展を行う。会場では新作チェアに加え、2人のデザイナーとのコラボレーションから生まれたprototypeを公開する。空間テーマ「爽と温」を掲げ、オフィスやホテルのラウンジなど公共空間を意識した構成で展示する。
展示タイトルは「Beauty of Presence(佇まいの美)」。ミラノで出会ったデザイナーとの協業を通じて鉄素材の新たな表現を追求してきた経緯を踏まえ、今回はprototypeの展示を通じて、デザイナーと鉄職人によるモノづくりを一段と磨き上げていく方向性を示す。企画、デザイン、製作、販売を一貫して行う自社ブランド「鉄家具」の取り組みの一環となる。
会期は4月21日〜25日
会期は4月21日〜25日で、会場はGalleria Antonio Battaglia(ガッレリア・アントニオ・バッタリア)。展示空間は「爽」と「温」の2テーマで構成し、公共空間を意識したレイアウトとする。最大約4脚までスタッキングできる「SHIN スタッキングアームチェア / SHIN スタッキングチェア」など、機能性を備えたプロダクトも披露する。
出展製品は、「MONKEY BAR CHAIR」(design:Jorge Herrera)、「Radial Coat Stand / Radial Umbrella Stand」(design:安積 伸)、「SHIN スタッキングアームチェア / SHIN スタッキングチェア」(design:伊藤浩平)、「felice easy chair / Tsuzumi circle table」(design:村澤一晃)など。会場構成はオフィスやホテルのラウンジを想定した空間設計とし、鉄家具を公共空間でどのように見せるかをテーマに据える。
今回の展示の軸は、家具を単体で並べるのではなく、空間の中での「佇まい」を前面に置く点にある。タイトルに掲げた「Beauty of Presence(佇まいの美)」には、鉄という素材の存在感と、光や動線との関係を含めた空間内での見え方を重ねる狙いを持たせた。杉山製作所は、ミラノでの出会いを起点としたデザイナーとの協業の積み重ねを背景に、今回のprototype提示を通じて、デザインと職人技を融合させた制作プロセスをさらに高める構えだ。
prototypeを2人協業で提示
会場では、2人のデザイナーとの協業によるprototypeを試作段階で提示し、完成品だけでなく制作のプロセスも含めて発信する。展示コンセプトは「空間における鉄家具の佇まいの美しさ」。鉄の特性を生かした造形とともに、「切る」「曲げる」「たたく」「つなぐ」「けずる」といった加工工程や、職人の繊細な仕上げに支えられた表現を強調する。
出展の構成は、作品の完成度を揃えることよりも、試作を含めた継続的なモノづくりの流れを見せることに比重を置く。「鉄家具」ブランドの取り組みとして、展示で得た反応やデザイナーとの議論を今後の製品開発に反映させる考えだ。会場では新作チェアとprototypeを並置し、公共空間を意識した2つの空間テーマの中で提示する。
背景には、同社が製造業として培ってきた鉄加工の技能と、デザイン領域との協業をつないできた歩みがある。1962年の創業以来、自動車や鉄道車両の部品製造を手掛け、2000年に自社で企画から販売まで一貫して行う「鉄家具」ブランドとして新たな展開を開始した。刀鍛冶の伝統が息づく岐阜県関市に拠点を置き、鉄を精緻に扱う加工工程をブランドの表現に取り込んできた。
ミラノでの出展は今回が4回目となり、これまでの協業を通じて「鉄の可能性」を引き出してきた経験を踏まえた内容とする。会場に掲げる「爽」と「温」の2テーマは、空間の体験設計と素材表現を対応させ、来場者に異なる居心地や時間の流れを感じさせる構図をつくる狙いがある。チェアやコートスタンド、アンブレラスタンド、テーブルなどは、デザイナー名を明記して提示し、協業による開発プロセスを前面に出す。
ミラノデザインウィークの会期に合わせてGalleria Antonio Battagliaを会場に選定し、市内の主要イベント動線の中で展示を行う。スタッキング機能を持つチェアなど、公共空間を想定したプロダクトを組み合わせることで、実利用を意識したラインアップとする。杉山製作所は、現地での展示を通じて価値観を共有できるパートナーとの連携を広げ、国際市場でのプレゼンス向上につなげたい考えだ。
展示運営では、「爽」と「温」の2テーマで空間を分け、オフィスやホテルのラウンジなどをイメージした構成とする。新作チェアとprototypeを軸に既存製品群を組み合わせ、企画から販売まで一貫して担う体制のもと、鉄加工技術とデザインの協業成果を包括的に示す。
