STマイクロエレクトロニクス(東京都港区)は、特許を取得した新しいハイブリッド・モードを採用したUSB PD(Power Delivery)シンク・コントローラ「STUSB4531」を発表した。この新モードにより、USB電力供給製品や充電式機器で、高度なUSB PD機能をより簡単に実装できるとした。ST独自のアルゴリズム「AUTORUN」に対応し、ソフトウェアを用いず基本動作が可能な点が特徴だ。
同製品はUSB PDスタックを内蔵し、外部アプリケーション・プロセッサと連携してバッテリ・メッセージングやデータ・ロール・スワップ、オルタネート・モード、ベンダー定義メッセージ(VDM)などの機能を扱うことができる。開発工程を簡略化し、設計期間の短縮を図ることを目的としている。
STUSB4531が量産段階に
STUSB4531は現在量産されており、QFN16パッケージ(3×3mm)とCSP16チップ・スケール・パッケージ(2.3×2.3mm)の2形態で提供される。開発者向けには評価ボード「EVAL-SCS007V1」やリファレンスボード「EVAL-SCS006V1」、GUIツール「STSW-STUSB020」、NVM Flash書込みツール「STSW-STUSB021」などが用意されている。オープンソースのソフトウェア・ライブラリも提供予定としている。
このコントローラは、最新のUSB-C® 2.4およびUSB PD 3.2規格、さらにEU適合性に対応したIEC 62680の認定を取得済みだ。代表的な用途にはハードディスクドライブ、POS端末、プリンタ、ドローン、ポータブル産業機器などが挙げられる。
背景には、USB-Cが電子廃棄物削減を目的とした国際的なエコデザイン規格として採用が義務化されている流れがある。STはハードウェア性能とソフトウェアの柔軟性を組み合わせることで、USB-C方式による充電・給電の拡大を進める。
開発支援体制と供給の枠組み
製品はハードウェアベースでの動作を前提とし、ソフトウェア不要の運用形態をとる。また、AUTORUNアルゴリズムによる電力ネゴシエーション実行と、バッテリ再起動を補助する大電力充電機能を備える。外部プロセッサと連携するハイブリッド・モードにより、USB PD通信のプロトコル機能を柔軟に扱う形を想定している。
供給は量産体制下で行われ、数量限定の記載はない。開発向けボードやツールが併せて提供され、オープンソースのライブラリも準備中とされる。再販や後継計画についての明示は現時点ではない。
開発支援に関しては、同社アナログ・MEMS・センサ製品グループが担当し、問い合わせ窓口を品川インターシティA棟内に設けている。運用責任の所在はST内で保持する形をとっている。
オープンソース資材の提供予定も含まれており、開発ツール群と量産供給の両面をそなえた体系である。