株式会社スチームシップ(長崎県波佐見町)は、佐賀県立九州陶磁文化館3階に「CAFE USEUM ARITA(カフェ ユージアムアリタ)」を開業する。有田焼を用い、地元産の野菜を中心としたヴィーガン料理を提供するカフェで、「美とヴィーガンを、ひと皿に。」を掲げる。予約制アフタヌーンティーも用意し、文化施設内で新たな食体験の場を設ける。
新店舗は、スチームシップが創業地の有田町で手がける新事業となる。同社は各地でふるさと納税支援を展開しており、地域の魅力を発信する「地域の宝探しカンパニー」を掲げてきた。今回は、美術館と連携し、観光と地域食材を結ぶ形で食文化を紹介する。佐賀県出身の料理人・髙岡盛志郎氏をエグゼクティブ・シェフに迎え、地域の生産者との協働を進めている。
有田で文化と食を融合
店舗は九州陶磁文化館の上階に位置し、館蔵の有田焼や地元窯元の器を実際に使用する。営業時間は10時から16時まで(月曜定休、祝日の場合は翌日休館)で、席数は32席。メニューは有田や佐賀の旬の野菜を中心とする完全植物性料理で構成し、自家製パンや「ごどうふ」を利用したデザートも提供する。完全予約制で提供される「KOKUHO AFTERNOON TEA」では、人間国宝の器が使われる。
髙岡氏は佐賀市出身で、日本料理の経験を経てカリフォルニアで勤務後、2019年から有田町に拠点を移した。現地では宿泊施設やベジタリアンカフェを運営しており、今回の新店舗では地域の食材を生かしたヴィーガン料理の監修を担う。
文化館との連携で継続企画
今回の出店は、九州陶磁文化館が過去に実施した「USEUM ARITA」の取り組みを引き継ぐ形とされる。同館は2016年、有田焼創業400年事業の一環として同名のレストランを期間限定で開き、5か月間に約1万5千食を提供した実績がある。近年は海外観光客の増加に伴い、食の多様性への対応を進めている。新カフェはその流れを踏まえ、英語表記やベジタリアン対応など多様な来館者に配慮した運営を行う。
空間デザインは、白磁の白と呉須の青を基調に構成。有田焼や唐津焼を使った器で料理を提供し、鑑賞した作品と連動した「使う体験」を重視した。過去企画で蓄積した運営ノウハウを活用し、文化館全体の来館促進を図る。
完全予約制のメニューを設け、公式サイトやSNSで受付を行う仕組みだ。運営はスチームシップが担い、館側は空間活用を支援する形をとる。今後は地元窯元と連携した企画も予定され、地域の地場産品活用を軸とした取り組みが進む見通しだ。
同社は2017年の設立以来、自治体のふるさと納税事業支援を主業としており、全14道府県で事業を展開する。今回の拠点は有田焼を通じた地域文化発信の強化策の一環とされる。