株式会社そらのした(山梨県富士吉田市)はPFAS不使用の環境配慮型撥水加工技術「Droproof」を、防衛・救助関係者を対象とするイベント「MCON TOKYO 2026」に出展すると発表した。環境負荷の低減と機能性素材の両立を目指すもので、環境対応技術の紹介を通じて、防災・救難の分野などでの採用を促す狙いがある。
PFAS(有機フッ素化合物)は、撥水・防汚性能を発揮する反面、環境中で分解されにくく残留が問題視されてきた。そらのしたはこれに代わる撥水技術を開発し、アウトドア領域で培ったノウハウを活用して公共性の高い領域への展開を進めている。「MCON TOKYO 2026」では、防衛・救助現場における機材の環境対応をテーマにした展示を行う。
PFAS規制強化の中で非フッ素化技術に注目
PFASに関しては国際的な規制強化が進んでおり、日本でも2026年4月から水道法の水質基準としてPFOS・PFOAの合算で50ナノグラム毎リットル以下が義務化されることが決まっている。こうした背景を受け、PFASを用いない代替技術の開発が広がっており、そらのしたの「Droproof」はこれに沿う形で設計されている。常設展示や販売は予定されておらず、イベント出展による紹介形式としている。
PFAS不使用技術の運用は、材料選定と製造過程において従来のフッ素系樹脂を排除することが前提とされる。このため、撥水効果の持続性や加工工程の最適化など実装段階での確認が求められている。今回の展示では、同社が開発を担い、来場者に対して性能と環境安全性の両面を説明する構成をとる。
「Droproof」の提供は特定イベント向けの出展として行われるものであり、数量限定の取扱いとなる。再販や一般販売の予定は明示されていない。展示は単発形式で、イベント期間中の紹介に限られる方向を示している。
防災・救難分野を視野に技術連携を模索
そらのしたは、登山用品のレンタル事業から発展した企業で、屋外活動に適した素材や洗浄・再加工技術に知見を持つ。代表の室野孝義氏は、素材研究と登山装備分野での経験を基礎に持ち、今回のPFAS不使用技術の実用化を進めている。防衛・救助関係の機材に対する環境負荷低減への関心の高まりを背景に、フィールドでの利用を想定した技術展示を行う。
環境省や厚生労働省が進めるPFAS管理制度の整備を受け、企業による代替化対応が急速に進む中で、そらのしたの技術は実用段階に近い工程管理の成果を示す取り組みといえる。同社はアウトドア関連で使用してきた素材管理の手法を応用し、継続的な供給体制を示しているが、今後の量産や他用途展開については具体的内容を明示していない。
展示会出展形式を通じて、防災・救難分野や自治体など公共性を持つ組織との協力機会を広げる方向を示しており、技術採用先の拡大は出展後の反応を踏まえて判断される構えだ。