株式会社Solafune(東京都千代田区)は、第三者割当増資(エクイティ)と金融機関からの借入枠(デット)などを組み合わせ、50億円超の資金調達を実施した。Globis Capital Partnersがリード投資家を務め、複数の投資家が参画した。調達資金は、防衛・インテリジェンス領域を中核に据える情報収集基盤の強化に充当する。
Solafuneは、衛星・地理空間情報を扱うGEOINT、SNSや各種メディア、インターネット情報を扱うOSINT、通信・電波情報を扱うSIGINTを統合的に解析する情報収集基盤の構築を進めている。防衛・インテリジェンス領域を中核に据えつつ、資源、防災、農業、インフラ監視など複数産業への横断的な応用も掲げる。
50億円超を調達
資金調達は、第三者割当増資(エクイティ)と借入枠(デット)を組み合わせた。エクイティではGlobis Capital Partnersがリード投資家となり、新規投資家としてBoost Capital、Rice Capital、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、りそなキャピタル、千葉道場ファンド、個人投資家が参画した。デットでは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行などが金融機関として名を連ねる。
資金使途は、エンジニア・プロダクト人材や安全保障人材の積極採用、生成AIおよびマルチモーダル解析技術の高度化、計算基盤・セキュリティ環境・設備への投資、海外政府向け事業展開の加速などに充てる。採用対象として、AI/ML/LLMエンジニア、衛星画像解析エンジニア、プロダクトエンジニア、セキュリティ/インテリジェンス領域エンジニア、政府・国際機関向けPM・ビジネス人材を挙げている。
国内の受注面では、防衛省、警察庁、内閣府をはじめとする各省庁から継続的に多数の案件を受注しているという。海外では、アフリカを中心とする海外政府や国連機関とも連携し、資源安全保障や災害対応分野のプロジェクトを進めている。
外部環境を示す数字として、防衛省の防衛力整備計画では2024年に衛星・AIインテリジェンス関連の予算が1兆円超とされ、前年から20%増となった。内閣府の宇宙基本計画の改定では、2025年にGEOINT・OSINT統合技術開発へ500億円の予算配分が示され、グローバルサウス展開支援も含む枠組みが掲げられている。国内外の公的投資が積み上がるなか、民間側でも金融機関系の投資資金がディープテックに向かい、2024〜2025年にかけてメガバンク系ベンチャーキャピタルが総額500億円超を投じたとの整理がある。
市場統計では、グローバルのGEOINT市場規模が2025年に150億ドルとされ、年成長率は25%と見込まれる。国内では2024年にOSINT・SIGINT市場が3000億円規模とされ、ウクライナ危機後に30%成長とするデータもある。Solafuneが掲げる統合解析は、GEOINTにOSINT・SIGINTを重ねるモデルであり、複数のデータ領域を横断する予算・市場の動きと接点を持つ。
統合解析を軸に強化
Solafuneは、衛星データ(GEOINT)を中核にOSINT・SIGINTを統合解析するインテリジェンス基盤の開発を進めている。今回の資金調達により、防衛・インテリジェンス領域を中核とした情報収集基盤の構築と並行して、計算基盤やセキュリティ環境、設備への投資と人材採用を同時進行で進める。投資家と金融機関の双方から資金を引き出す形をとったことで、基盤整備と人員体制の拡張を一体的に進める構図が鮮明になった。
事業展開では、日本政府事業を中心に、東南アジア、南米、中東などグローバルサウスにも展開エリアを広げ、防衛・インテリジェンス領域を中核に据えた惑星規模のインテリジェンス基盤「Planetary Intelligence OS」の構築を目指す。海外政府・国連機関との連携先として挙げるアフリカでは、国連報告書で2024年に資源安全保障分野の衛星解析需要が2倍増とされ、災害・紛争対応の文脈で分析需要が高まっているとされる。
背景には、地政学リスクの高まりや安全保障環境の複雑化があり、防衛・インテリジェンス領域における高度な情報収集・分析ニーズが急速に拡大している。これを受け、Solafuneが培ってきた地理空間解析技術の需要も伸長しているという。生成AIやマルチモーダル解析に関しては、日本国内の市場規模を2025年に1兆円とする予測があり、インテリジェンス分野への応用率を40%とする推計もある。Solafuneは調達資金の充当先として、生成AIおよびマルチモーダル解析技術の高度化を掲げている。
国内外では、衛星・AIを組み合わせたインテリジェンス基盤への資金流入が続いている。国内の類似例として、Synspectiveが2023年にシリーズDで約160億円を調達し、衛星データ解析基盤の強化を打ち出した。海外ではEarth iが2024年に10億円超を調達し、GEOINT・OSINT統合型の地球観測プラットフォーム構築を示した。上場企業を含む海外勢ではPlanet LabsやBlackSkyが衛星画像とAIを組み合わせたサービスで資金調達を重ねており、統合型解析基盤をめぐる投資が続く構図が浮かび上がる。
Solafuneは2020年5月に設立し、本社を東京都千代田区丸の内に置く。ミッションとして「Hack The Planet.」を掲げ、衛星データ(GEOINT)を中核にOSINT・SIGINT統合解析のインテリジェンス基盤開発を進めてきた。今回の資金調達で、防衛・インテリジェンス領域に重点を置いた基盤開発と、国内外の政府・国際機関向け案件の拡大が一段と加速する公算が大きい。
