ソフト99コーポレーションは9月25日、投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」が実施するTOB(株式公開買い付け)に反対する意見を表明した。株主に対し応募しないよう要請し、既に応じている場合は契約解除も求めた。両TOBの行方は上場維持・非公開化の帰趨に関わり、株主の意思決定と企業統治の枠組みに影響を与える。
今回の局面では、ソフト99コーポレーションがMBO(経営陣が参加する買収)による非公開化に向けたTOBの実施主体となり、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが対抗TOBの実施主体となる構図だ。ソフト99は、エフィッシモの提案がグループの企業価値向上に資すると認められないことや、一般株主にとって公正と認められないこと、TOBの実現可能性に疑義が残ることを理由に反対に転じた。自社の非公開化に向けた枠組みを維持する狙いがある。
株主に応募見送り要請
ソフト99はエフィッシモのTOBに反対するだけでなく、株主へ応募しないよう要請した。
さらに、すでに応募している株主に対しても契約解除を求める踏み込んだ対応を取った。これまでソフト99は、エフィッシモのTOBに対し株主の判断を尊重する姿勢を示してきたが、反対表明により両者の駆け引きは新たな局面に入った。
買い付け価格に大差
価格面では、ソフト99が提示した買い付け価格は1株当たり2465円であるのに対し、エフィッシモは1株当たり4100円で対抗TOBを開始した。エフィッシモは、ソフト99の価格がPBR(株価純資産倍率)1倍を下回る著しく割安な水準だとし、少数株主の利益を確保する観点から約7割高い水準を打ち出した。株主にとっては、提示価格の差が応募判断の主要な材料になり得る。
一方でソフト99は、価格差も踏まえると株主の判断に時間を要するとして、自社TOBの終了日を9月19日から10月2日に遅らせていた。応募期間の見直しは、株主が比較検討する時間を確保する意図をにじませる対応であり、TOB争奪戦の時間軸にも影響した。
8月のMBO始動から対抗へ
経緯をたどると、ソフト99は8月7日にMBOによる株式の非公開化に向けたTOBを開始した。
これに対し、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドであるエフィッシモが「少数株主の利益の保護に強い懸念がある」と主張し、9月16日にソフト99に対するTOBを開始した。結果として、非公開化を目指す買い付けと、対抗する買い付けが並行する構図になった。
背景には、少数株主保護の考え方と、非公開化を含む資本政策を巡る利害の対立がある。
ソフト99は今回の反対表明で、(1)企業価値向上に資すると認められない、(2)一般株主にとって公正と認められない、(3)実現可能性に疑義が残る――の3点を理由に挙げ、エフィッシモの提案自体を問題視した。運用面では、株主がどのTOBに応募するかで手続きや契約関係が分岐し、途中応募の扱い(解除の可否を含む)が需要・供給ではなく「運用」単位の論点として顕在化し得る。
反対理由は3点に集約
ソフト99が示した反対理由は、企業価値向上、公正性、実現可能性の3点に集約される。
企業価値向上については、エフィッシモのTOBがグループの企業価値向上に資すると認められないとした。公正性では、一般株主にとって公正であると認められないと位置づけた。実現可能性では、エフィッシモのTOBの実現可能性に疑義が残るとし、手続きの確実性にも論点を広げた。
資本政策の主導権が争点
今回のTOB争奪戦は、ソフト99が進めるMBOによる非公開化と、エフィッシモが提示する対抗TOBが正面から競合する構図であり、資本政策の主導権がどこに帰するかが主要なテーマとなる。価格差が株主判断を左右し得る一方で、ソフト99が応募見送りや契約解除まで求めたことで、応募行動の管理や手続きの確実性が同時に問われる局面に入った。
