株式会社資生堂(東京都中央区)は、第126回定時株主総会を3月25日午前10時に開催すると示した。会場は東京都千代田区の帝国ホテル2階で、株主向けにライブ配信によるウェブ参加も用意する。会場出席のほか書面やインターネットでの事前議決権行使を受け付ける。総会運営のデジタル化が進むなか、参加手段の拡大が株主の関与機会に影響する。
資生堂は株主総会資料の電子提供措置を講じ、企業情報サイトと株主総会資料掲載ウェブサイトに「第126回定時株主総会招集ご通知」を掲載した。総会当日に会場へ出席する株主は、送付される議決権行使書用紙の持参により事前手続きなく受付できる。ライブ配信によるウェブ参加は株主に限り、IDとパスワードで認証してログインする仕組みとする。ウェブ参加は会社法上の「出席」には当たらず、当日の議決権行使や質問はできない点を明記した。資生堂は会場出席しない株主に対し、事前の議決権行使を求めている。今回の取り組みは、対面・遠隔を併用した株主総会運営の位置づけとなる。
3月24日夕方まで事前行使
議決権行使の期限は、書面(郵送)が3月24日午後5時15分到着分まで、インターネット等が同日午後5時15分完了分までとした。
インターネット行使は、議決権行使ウェブサイトにアクセスし、議決権行使書用紙に印字された議決権行使コードとパスワードでログインして賛否を入力して賛否を入力する。議決権行使書用紙右下のQRコードを読み取ることで、コードやパスワードを入力せずにログインできる「スマート行使」にも対応する。
機関投資家は、株式会社ICJが運営する機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームを利用できる。書面と電磁的方法の双方で議決権行使があった場合は電磁的方法を有効とし、電磁的方法で複数回の行使があった場合は最後の行使を有効とする。議決権行使書で賛否表示がない場合は会社提案に賛成の意思表示があったものとして取り扱う。
代理行使は議決権を有する他の株主1名を代理人とでき、その場合は代理権を証明する書面の提出が必要になる。議決権の不統一行使をする場合は、株主総会日の3日前までに理由を含め電磁的方法または書面で通知する。
総会は帝国ホテル、議案2件
総会は3月25日午前10時に開く。場所は東京都千代田区内幸町一丁目1番1号の帝国ホテル2階「孔雀の間(東の間)」で、ライブ配信は午前9時半から開始する予定とした。
報告事項は第126期(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の事業報告、連結計算書類および計算書類ならびに会計監査人と監査委員会の連結計算書類監査結果報告である。決議事項は「剰余金の配当の件」と「取締役12名選任の件」の2議案を上程する。
総株主の議決権の数は3,989,687個とした。総会に来場する株主向けにお土産の用意はない。
電子提供措置事項に修正が生じた場合は、企業情報サイト等に修正前後の事項を掲載する運用とした。電子提供措置事項のうち、法令および定款の規定に基づき書面交付請求をした株主への交付書面には記載しない事項があり、監査委員会が監査した事業報告や会計監査人・監査委員会が監査した計算書類の構成についても、ウェブ上に掲載する資料で示した。
配当案は期末1株20円
第1号議案は剰余金の配当で、期末配当について当社普通株式1株当たり20円、総額7,990,726,520円とする案を示した。効力発生日(支払開始日)は3月26日とした。
資生堂は株主還元の基本方針として、持続的な成長のための戦略投資を最優先しつつ、資本コストを意識しながら投下資本効率を高め、中長期的に配当の増加と株価上昇につなげる方針を掲げる。指標として親会社所有者帰属持分配当率(DOE)2.5%以上を目安とする考え方も示している。
業績面では、2025年のコア営業利益が445億円(前期比+22.4%)で期初計画365億円を上回った。フリーキャッシュフローも665億円と改善した。
一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は407億円の損失で、米州事業の減損損失や構造改革に伴う費用の計上を要因として挙げた。2026年の見通しとして売上高9,900億円、コア営業利益690億円、コア営業利益率7.0%を記載し、2030年目標はコア営業利益率10%以上とした。これらの数字は、株主還元の議論における前提情報となる。
取締役12人体制へ1人増員
第2号議案は取締役12名の選任で、取締役11名全員が株主総会終結の時をもって任期満了となることを踏まえ、執行部門の監督体制強化のため1名増員し、社外取締役8名を含む取締役12名とする方針を示した。
独立社外取締役は12名中8名で比率66.6%(8名/12名)、女性取締役は12名中6名で比率50.0%(6名/12名)とした。候補者の決定は、独立社外取締役4名で構成される指名委員会が、要件策定からロングリスト・ショートリスト作成、面談を経て決定するプロセスを採る。
取締役候補者には、取締役 代表執行役 チーフオフィサー 社長 CEOの藤原憲太郎氏、取締役 代表執行役 チーフオフィサー チーフファイナンシャルオフィサーの廣藤綾子氏、取締役 監査委員会 委員(常勤)の安野裕美氏のほか、新任候補者として岡本仁志氏、アンドリュー ハウス氏、金子圭子氏、中田卓也氏を挙げた。
岡本氏は監査部特任部長(2025年12月31日までリスクマネジメント部長)などの経験を記載し、常勤の監査委員としての役割を担う予定とした。取締役会の構成は、執行の監督機能をどのように強めるかが焦点となる。
2030戦略と改革計画を継続
資生堂は2025年を成長に向けた基盤構築を完了させた年と位置づけ、昨年11月に発表した「2030 中期経営戦略」の実行で成長軌道へ舵を切ると記した。
改革として「アクションプラン2025-2026」に取り組み、注力ブランドへの選択と集中、グローバルでの構造改革、コスト管理の徹底や資本効率の改善を進めた経緯を示した。戦略の柱は「ブランド力の向上を通じた成長加速」「グローバルオペレーションの進化」「サステナブルな価値創造」の3つとしている。
外部環境については、世界経済の先行き不透明感が続くとの認識を示したうえで、柔軟性とスピードを重視して売上・利益成長と資本効率の向上を進める方針を掲げた。
最終損益が2期連続で赤字となった点は、資本政策や株主還元の継続性に関わる論点となり得る。株主総会の電子提供とライブ配信を併用する運営は、出席・議決権行使・情報提供の分担を明確化するもので、株主の関与のあり方にも影響が及ぶ。
会場出席、ウェブ参加、事前議決権行使が並立する運用のなか、ウェブ参加が議決権行使や質問を伴わない点と、電子提供措置事項の更新時にウェブ上で修正情報が提示される点が、株主側の実務対応に直結する。
