一般社団法人信州千曲観光局(長野県千曲市)は、日本遺産「月の都千曲」の拠点となる姨捨の棚田に一棟貸し宿泊施設「The Moon Terraces Obasute」を開業する。宿泊と体験の収益を棚田保全に還元する枠組みを示している。
新設する「The Moon Terraces Obasute」は、姨捨の棚田の中での滞在を打ち出し、定員4名の一組限定で一棟貸しとする。日本遺産「月の都千曲」の魅力を国内外へ発信し、持続可能な観光地域づくりの実現を狙う取り組みで、日本遺産コンテンツの拠点化、棚田保全の収益基盤づくり、地域周遊による消費拡大を目的に掲げる。
一棟貸しは4名限定
宿泊施設の名称は「The Moon Terraces Obasute(ザ・ムーン・テラスズ・オバステ)」で、定員は4名とし、一組限定の一棟貸しで運用する計画だ。オープン日は2026年4月23日(予定)としている。
体験面では、日本遺産「月の都千曲」サウンドツアーの販売を2025年12月1日から開始している。姨捨の棚田エリアと戸倉上山田温泉街をつなぐ設計とし、回遊と二次消費の促進をうたう。サウンドツアーは、音声ARサービス「Locatone™(ロケトーン)」を用いる形で、自称千曲の観光大使「ちちくまくん」と「戸上湯二朗」が案内役となる。「Locatone」はソニーグループ株式会社またはその関連会社の商標だ。
収益の一部を保全活用
事業背景として信州千曲観光局は、姨捨の棚田が国の名勝・重要文化的景観として高い価値を持つ一方、収益化の仕組みがなく、景観の維持や棚田保全に困難な課題を抱えている点を挙げる。宿泊と体験の収益を直接的に地域へ還元する仕組みを導入し、農業従事者の高齢化などで危機に瀕する姨捨の棚田の保全と、地域経済の活性化を同時に目指す考えを示している。
収益の一部は姨捨棚田の保全活用に充てるとしており、景観整備や維持管理のための機器・テクノロジーの導入、担い手不足解消などを含む「無理なく続くられる保全の仕組みづくり」を行う方針だ。活用状況は活動報告として示し、収益の活用報告を行うことで透明性を確保する考えも盛り込んだ。
今回の焦点は、宿泊施設の開業予定日と先行予約開始時刻、ならびに体験コンテンツの販売開始時点が示された点にある。取引管理や法人営業の観点では、宿泊が一組限定の一棟貸しで運用される点が、運用上の整理事項になり得る。
