島根銀行(島根県松江市)は2月2日より、破産管財人や相続財産管理人などが扱う特殊口座の開設に際し、新たに手数料を設けると発表した。対象は破産管財人口座などの管理口座で、既存口座をこれらに切り替える場合も手数料が発生する。
同行が対象とするのは、破産や相続、不在者財産の管理に関わる特殊な性格の口座だ。これらは一般顧客と異なり、法的手続きや必要書類の確認に多くの事務を要する。今回の手数料導入は、こうした事務負担に対応し、運用体制を整える目的がある。銀行側が業務効率化とコスト負担の適正化を進める一環として位置づけられる。
2026年2月から新手数料を導入
新設される「特殊口座開設手数料」は、既に開設された通常口座をこれらに種別変更する際にも手数料が適用される。同行は営業推進グループが問い合わせ対応を担う体制を整えており、運用開始時の円滑な案内を図るとしている。
背景に法的手続きの増加と事務対応の複雑化
島根銀行は地域に根ざした地方銀行として、個人・法人双方を対象に預金、融資、信託などを扱ってきた。
破産・相続関連の財産管理業務では、法令遵守と口座の確実な運用が求められるため、内部審査や管理作業の負荷が高まっていた。特に管財人や相続人の確認業務には時間と専門知識が必要で、人件費を含む事務コストが増加していた。
背景には、全国的な高齢化に伴う相続案件の増加がある。裁判所を通じた管理財産の手続きも年々複雑化しており、銀行実務では個別対応の比重が高まっていた。
こうした状況を踏まえ、地方銀行が個別手続きに係るコストを明確化する動きが広がりつつある。今回の手数料設定もその流れの一環とみられる。
利用者への影響
島根銀行では、対象口座の利用者が法的手続きに関係する専門職や代理人であるケースが多い。そのため利用者の範囲は限定的とみられ、一般顧客への影響は小さいといえる。
一方で、既存口座を特殊口座に変更する際にも手数料が発生するため、手続きの時期や必要書類の確認が今後の運用上の注目点となる。
今回の制度改定は、金融機関が法的手続き対応の明確化とコスト負担の整理を進める流れの一端に位置づけられる。